マレイシア・サバ州に於ける生物調査研究の許可について
調査研究許可・標本の州外持ち出し・論文発表など
(未定稿) 平成14年8月24日 ボルネオ生物多様性・生態系保全プログラム(BBEC)
1.背景と趣旨 本メモは、マレーシア国サバ州で、生物多様性・生態系・地域文化・社会経済などの分野で調査研究を行うことを計画されている方々、特に日本の研究者の方々(学生も含む)に、現地での調査研究許可に関する情報を整理し提供しようとするものです。この情報は、2002年4月30日にマレイシア国立サバ大学で開催された「サバ州における調査研究活動とその許可」に関するワークショップ結果を日本語に要約したものです。 マレイシアは連邦国家で、サバ州とサラワク州は特にその歴史的な経緯から半島部マレイシアとは行政や法律が異なり、独立性が強いので、日本の都道府県と同じではありません。従って、サバ州での調査研究に関しては、マレイシア国の法律とサバ州の法律・条例各種に従わなければなりません。特に、生物多様性や少数民族の調査研究では、国・州双方とも外国人研究者に対する厳しい規制を実施しています。 「ボルネオ生物多様性・生態系保全プログラム」は、日本政府の技術協力により、サバ州に於いて平成14年2月より5年間実施中です。このプログラムは、自然保全に関する調査研究、州立公園管理、野生動物生息域管理、環境意識啓発の4分野を統合的に実施し、その効果と効率を向上させることを目的に、国立サバ大学とサバ州政府9機関の協力で遂行されているものです(http://www.bbec.sabah.gov.my/)。 JICAチームは技術協力のため派遣されているので、調査研究許可申請手続きの支援はできません。具体的な申請手続きについては、サバ州の共同研究者または受け入れ機関とご相談ください。
2.研究ビザ=調査研究目的による滞在許可の取得 マレーシア国内で調査をおこなうためには、必ずマレイシア国の研究ビザ(Research Visa)を取得することが必要です。観光などを目的として滞在し、調査研究行為を行うことは違法です。但し、現地機関が国際的に呼びかけて実施する合同野外調査などに主催者の正式な受け入れ承認を得て参加するというような場合は、特別に研究ビザは免除されることがあります。 Research Visaの取得手続きに関する情報と申請に必要な書類は、調査研究許可窓口:Research Permission Section, Economic Planning Unit(EPU), Federal Government of Malaysia(連邦政府経済企画庁調査研究許可課)から入手できます。窓口へは以下の方法でコンタクトできます。 (1) http://www.epu.jpm.myにアクセスし、メイン・メニューのGuidelines & Applicationをクリック、Guidelines of Conducting Research in Malaysiaを選択する。 (2) info@epu.jpm.myにメールで問い合わせる。 (3) 以下に手紙で請求する。 Madam Munirah Abdul Manan (現在の担当者) (4) Tel. +60-3-8888-2823に電話で問い合わせる。**上記担当者を参照。 申請書類一式が揃ったら、調査研究許可窓口に提出します。研究許可の申請は、調査開始の少なくとも4ヶ月前には行なうルールになっています。実際には許可まで半年ぐらい係る例が多いようですので、お早めに手続きを開始することをお勧めします。また、Research Visaの申請には、マレイシア国内機関からの受入承認証明書などが必要です。調査開始の1年程度前にサバ州の機関に打診し、共同研究者を見つけ、申請手続きを手伝ってもらうことをお勧めします。
3.サバ州内での調査・標本採集許可の取得 (1) 保護区以外 調査対象地域が何らかの保護区以外の場合は、上記Research Visaのみで調査が可能です。
(2) 保護区内 サバ州の各種保護区内で調査・標本採集を行うには、上記Research Visaに加え、その保護区の所管機関から調査・標本採集許可を得る必要があります。サバ州内の各種保護区の所管機関、Web Site、関連州法等は以下のとおりです。 1) 州立公園(State Park): 所管:サバ州公園局(Sabah Parks):http://www.sabahparks.org.my/ 関連法:Park Enactment 1984 **観光案内などにはNational Parkと記載されていても、サバ州内の自然保全型の6公園は全て州立です。 (2)野生生物保護区(Wildlife Reserve, Wildlife Sanctuary, Bird Sanctuary): 所管:サバ州野生生物局(Sabah Wildlife Department):http://www.sabah.gov.my/jhl/ 関連法:Wildlife Conservation Enactment 1997 (3)森林保護区(Forest Reserve): 所管:サバ州森林局(Sabah Forestry Department):http://www.sabah.gov.my/htan 関連法:The Forest Enactment 1968, The Forest Rules (Maliau Basin), 1998 **森林保護区でも Danum ValleyとMariau Basinについては、 サバ財団(Yayasan Sabah):http://www.vsnet.org.my/のDanum Valley CommitteeおよびMaliau Basin Management Committeeからの許可が必要。
**対象調査地がどのような区分になっているかは、各担当機関に問い合わせてご確認ください。
4.生物標本の取り扱い
(1) サバ州外への持ち出し許可 サバ州で採集した生物標本(動植物、tissue sampleを含む)の州外持ち出しについては、全て輸出許可が必要です。サバ州以外のマレイシア国内に持ち出す場合でも、輸出許可が必要です。持ち出し許可を取得せずに出国しようとし標本の保持が発覚した場合は、厳しい処罰や新聞等での報道がなされます。 持ち出しに必要な輸出許可書は、採集地域が州立公園か否か、標本がCITES付属書掲載種かによって異なり、まとめると、次表のようになります。
なお、これ以外にも標本によっては、獣医畜産局や農業局または水産局などの許可を必要とする場合もありますので、詳細は共同研究者か受け入れ機関にご相談下さい。
(2)標本の返還と保管に関する規定 サバ州内で採集された標本は、採集した研究者の所有物ではありません。サバ州法に従い、そのデュプリケイト標本を複数の機関に保管する必要があります。その上で、研究者の持ち出しが許可されるわけです。 保管先機関と標本数は、採集地が州立公園かそれ以外の保護区かにより、また、共同研究者や受け入れ機関との事前合意内容によって異なります。 持ち出した標本は原則、サバ州の機関に返還しなければなりません。同一種について幾つの標本の持ち出しが許可されるか、どの時点で返還するのかなどは、同一種の標本が多数ある場合と標本数が限られている場合、日本人研究者のreference標本の必要性(長期貸与)を認めるか、あるいは同定への協力を求められるかなど状況によって異なりますので、受け入れ機関と事前によく協議しておくことが重要です。 以上
(参考) その他の関連Website: -> サバ州政府:http://www.sabah.gov.my/(サバ州の関連機関を探すことができます) -> サバ大学熱帯生物学・保全研究所(ITBC-UMS):http://www.ums.edu.my/(大学からITBCサイトに入ってください) |
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