ラフレシア

2003/5/8

米田 政明

ラフレシアはラフレシア科に属する寄生植物です。世界で8属、55種が知られています。東南アジアにのみ分布します。このうち、大きさが最大でよく知られているのがラフレシア(Rafflesia arnoldii)で、スマトラとボルネオ南西部に生育します。サバ州には残念ながらRafflesia arnoldiiの生育地は発見されていませんが、ラフレシア属の3種、Rafflesia keithii, R. pricei, R. tengku-adliniiが分布します。

どんな花?

花の直径は、小さい種類のもので15cm程度、大きいものは直径1m近くに達します。超大型の花ですが基本構造は他の花とあまり変わりません。萼片5枚、雄花と雌花があります。雄花は、3倍以上の比率で雌花より多く見られます。開花期間は長くて1週間程度にすぎません。腐肉のニオイを出してハエをおびきよせ、受粉させると言われていますが、無性生殖も可能であり結実メカニズムにはまだ不明な点があります。雌花のうち結実するのは三分の一程度です。種子の成熟まで半年ほどかかります。小さな種子が数十万個できます。

寄主植物とつぼみ

ブドウ科のつる植物であるブドウカズラ類(Tetrastigma属)はアジアで95種が知られていますが、そのうち6種だけにラフレシアは寄生します。しかし、種子の人工移植、開花には成功ほとんど成功してなく、種子の分散、寄生メカニズムはよくわかっていません。つぼみから開花までの成長期間は種類によって違いますが、12ヶ月から16ヶ月かかります。つぼみのうちにノネズミにかじられたりするものも多くあります。つぼみは薬用として、地域の人に利用されています。抽出液が、出産の後の出血止めなどに有効とされています。

どこで見られる?

低地より丘陵、山地の標高300-1300mあたりで多く見られます(Rafflesia keithiiは標高260-940m、R. tengku-adliniiは700-800m、R. priceiは最も標高の高い800-1300mが分布域です)。サバではキナバル山のポーリン温泉地区、クロッカー山脈公園、あるいはクロッカー山脈公園に隣接するラフレシア保護林が観察に適しています。サバ東部ではダナムバレーにも分布します。花は一年を通じて咲きますが、4月から7月と8月から10月ごろに多く咲く傾向があります。寄主植物のツルの位置により樹上で咲く種類もありますが、サバのラフレシア3種は地表近くで咲きます。

Rafflesia keithii (写真:Prudente)

Rafflesia pricei (写真:J. Nais)

Rafflesia tengku-adlinii (写真:J. Nais)