FAQ(よくある質問)
よくあるご質問
■生物多様性とその保全について
Q1. 生物多様性とは分かりやすくいうと何ですか?
Q2. なぜ、ボルネオ島で生物多様性保全が必要なのですか?
 
■日本の技術協力とBBECプログラムについて
Q3. 日本の技術が役立つのですか?
Q4. 多くの機関を巻き込んだ協力プログラムのようですが、なぜですか?
Q5. 日本の技術協力の特徴は何ですか?
 
■BBECプログラムへの訪問について
Q6. スタディー・ツアーで、BBECプログラムの現場を見学できますか?
Q7. インターンやボランティアとして、BBECプログラムで働けますか?
 
■マレーシアでの調査研究について
Q8. ボルネオで学術調査を行いたいのですが、便宜を図ってもらえますか?
 
Q1. 生物多様性とは分かりやすくいうと何ですか?
生物多様性というのは、「遺伝子」「種」「生態系」の3つのレベルでの多様性を総括して言います。「遺伝子」の多様性は、農産物の改良の例で多様であった方が環境に適応した生物の再生産が可能ということで理解できると思います。一般に理解されているのは「種」の多様性です。これまでのところ地球上で180万種類の生物が記録されています。特に昆虫、下等植物、微生物は実態が分かってなく、これらが解明されれば更に3千万から1億種の生物が地球上にいると推定されています。
 ただ種が多いから良いという訳ではなく、一番大事であるのは、「生態系」レベルでの多様性です。「生態系」とは地形や地質、天候など生物にとっての環境ごとに適応した多様な生物の群とその構成種の間の関係を指します。例えば、山岳の生態系や 草原の生態系、あるいは湿地帯や川辺の生態系などそれぞれに生息する生物の種類が違い、それぞれの共生や棲み分けの関係があります。生態系が多様だということは「種」も「遺伝子」も多様にあるということだと思います。
 もっと簡単に言えば、「生物多様性」が人間にとっての「自然環境」あるいは「自然資源」を作っている訳です。生物多様性が高いということは自然環境や自然資源が豊かであると言えます。生物多様性が豊かであるということは自然の再生産力や環境の変化への適応や復元の能力も高いということだとも言えます。これを守り賢く使うことは人類の生存と深く関係している訳です。
Q2. なぜ、ボルネオ島で生物多様性保全が必要なのですか?
ボルネオ島というのは、地球面積の7%弱に残っている熱帯雨林の一部で、地球上で最も生物多様性の高い地域でありながら、その低下が進んでいる12のホットスポットに数えられています。氷河期を乗り越えた地球全体の財産である生物種、遺伝子、生態系がボルネオ島に貯蔵されていると言えます。ボルネオ島の生物多様性が低下するということは、地球的規模での生物的貯蓄が減っていくということです。
 サバ州の森林面積は過去50年の間に半減しました。輸出された木材の多くは私たち日本人の暮らしを豊かにするために役立ちました。
 生物多様性が劣化していくと自然環境が悪化し自然資源が減少していくということですので、地球的規模のみならず、州の社会経済に大きな影響を与えます。特に、サバ州は過去には木材の輸出、現在はプランテーション農作物の輸出など自然資源により発展してきました。生物多様性の低下、特に多様な生態系の破壊と消失は、州民の生活を大きく変えていきます。木材輸出の最盛時にはマレーシア一の経済を誇ったサバ州は、今ではマレーシア一の貧困層を抱えています。
 ということで、地球的規模の課題と、地域社会経済の開発問題との両方にとって最大の要因であるサバ州の生物多様性の保全に対して我が国の協力を行っています。
Q3. 日本の技術が役立つのですか?
自然保護というのはヨーロッパで20世紀に入って盛んになった思想あるいは行政課題ですが、その背景には開発し尽くしてほとんど残っていない自然があります。わずかに残った自然を囲い込み人間活動を排除し管理しながら保護するという方向で、野生生物保護区、サンクチュアリーなどの管理方式が発展しました。アメリカ、カナダ、オーストラリアなどの新世界もこの方式で国立公園や保護区を設置した訳です。欧米の植民地だった国々はこうした西洋風の自然保護行政を取り入れた訳ですが、社会文化の違いからうまくいってないのです。
 特に東南アジアでは、伝統的な村落社会というのは自然資源に頼り生活を営んできた訳ですが、開発はそうした村落社会の外から持ち込まれ、資源にアクセスできる特権を持った人々(古くは占領国側、最近は都会の企業や資本家)のみが森林を伐採し、土地をプランテーション農園に開拓することにより富を得てきました。開発に適応できない村落社会は保護区周辺や保護区の中に追いやられるという現象が起きてしまった訳です。
 日本というのは伝統的に自然との共生を大事にしてきた社会です。明治時代の西洋化で自然破壊が一気に進み西洋の自然保護思想も輸入されましたが、基本的には自然との共生を基本的な価値観に自然保全行政が行われてきました。欧米型と違い、国立公園や鳥獣保護区は人間活動を排除した囲い込みではなく、内部に住居、農業や観光業も内包した形で管理しています。サバ州に必要なのは、そういう日本型の自然保護方式を参考にしながら、東南アジア型の自然保全行政を構築することだと思います。
Q4. 多くの機関を巻き込んだ協力プログラムのようですが、なぜですか?
マレーシア連邦政府からは国立サバ大学と教育省サバ局が、サバ州政府からは公園局、野生生物局、科学技術室など8機関と10の行政郡役場、それに環境行動委員会というNGOが実施機関として活動しています。実際には、この他にも州のジャーナリスト協会、WWFやHutan、ダーウィン・イニシアティブなどの国際NGOなどと連携して事業を実施しています。
 個々のプロジェクトをバラバラに実施するより、プログラムとして幾つものプロジェクトを連携させ、全体の調整をとりつつ事業を推進した方が援助の効果が出やすく、また効率的だからです。
 特に、環境問題は人間社会経済の様々な側面に関係しており、たくさんの役所やNGOが様々な事業を展開していますので、それらを包括して一つのプログラムとして取り組みより高い次元の成果を引き出そうということです。
Q5. 日本の技術協力の特徴は何ですか?
日本の技術協力というのは、昔から「国づくりは人づくり」をスローガンに掲げ、「人材育成」や「組織体制整備」を手伝ってきました。一緒にプロジェクトをやった人々が技術を身につけ、組織が改善されて、新しい体制が定着するのを見るのは技術協力に携わる者の喜びです。
 BBECプログラムで働いている専門家や協力隊員達はみな、自分がいなくてもマレーシアの同僚達が自分たちでできる状況になることを目指して、サバ州の人材育成や組織づくりに励んでいます。これは、計画づくりや調査研究あるいは資金提供が主体の欧米型の援助に比べて大きく違う点です。こういう日本型の技術協力の手法は私たちの誇りです。
 協力の相手が「もう自分を必要としない」状況に至ったのを見届けて、そっと消えるのが私たちの援助の美学です。そして、何年後かに、かつて共に努力した朋友達とどこかで再会するのを楽しみにしています。
Q6. スタディー・ツアーで、BBECプログラムの現場を見学できますか?
まずは、予め、和文(必要に応じて英文も)にて、訪問趣旨書(目的、依頼内容、希望日時、訪問予定者、貴団体の連絡先等)をご用意の上、JICA地球環境部第1グループ自然環境保全チーム(電話:東京03-5352-5274〜5277)またはお近くのJICA国内機関にご相談ください。
 当プログラムでは、様々な技術協力活動に日々従事しており、また活動現場の見学についてはマレーシア側関係機関の同意も必要ですので、必ずしもすべてのご依頼に対応できるわけではないことを、予めご了承ください。
 なお、旅行手配業務(現地でのホテル予約、訪問先への車両手配等)は、当プログラムではお引き受けしかねますので、日本や現地の旅行代理店等に直接ご依頼ください。
Q7. インターンやボランティアとして、BBECプログラムで働けますか?
あいにく、当プログラム独自のインターンやボランティアの受入は行っておりません。なお、JICAでは、大学院生を対象に、JICA本部、国内機関、在外事務所等でのインターン受入を行っております。
Q8. ボルネオで学術調査を行いたいのですが、便宜を図ってもらえますか?
私たちは、日本・マレーシア両国政府の合意により、技術協力活動に専従することを条件に当地に派遣されております。また、マレーシア政府が保有する情報についても、技術協力活動に限定することを条件に利用を許可されております。従って、たとえ学術目的であっても、第三者の活動に対する個別の支援(調査研究許可申請にかかる手続き、マレーシア政府機関やNGO関係者の紹介、マレーシア政府が保有する情報の開示、旅行手配業務等)を行うことは出来ませんので、何卒ご了承ください。
 なお、調査研究許可申請の手続きについては、2002年8月24日付の記事「マレーシア・サバ州における生物調査研究の許可について」をご参考の上、詳細については、サバ州の共同研究者等に直接ご相談ください。
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