野生生物生息域保全専門家:坪内俊憲(つぼうち としのり)


1955年生まれ、徳島県徳島市出身、現在、「CDCインターナショナル」に所属しています。2003年1月までモンゴル国自然環境省において野生生物持続管理専門家として勤務した後、2003年2月から2年間の派遣期間でボルネオ生物多様性・生態系保全(BBEC)プログラムに赴任しました。これまでフィリピン、キューバのワニ保全計画、キューバのウミガメ管理計画実施、サウジアラビアの北部紅海調査などさまざまな野生生物保全の仕事にたずさわってきましたが、マレーシア国ボルネオ島のサバ州は初めての任地です。

BBECプログラムでは野生生物生息域コンポーネントを担当しており、配属先機関はサバ州野生生物局です。業務は主にサバ州の東側ハラダト地区にあるタビン野生生物保護区とその周辺域における適切な生息域管理を実施することです。タビン野生生物保護区にはアジアゾウ、バンテン、スマトラサイ、オランウータン、テングザルなど貴重な動物がたくさん生息しています。タビン川の下流には広大な湿原が広がって、テングザル、アジアゾウなどに良好な生息環境を提供しています。が、周辺地域ではアブラヤシのプランテーション開発が進んで自然林がどんどん消失し、アジアゾウがプランテーションのアブラヤシを食べたり、住民の農作物を食べに出てきたりして問題となっています。また、プランテーションで使用される農薬が湿原に流れ込み、少数民族ティドン族の人たちにとって唯一の現金収入であるテナガエビの漁獲が急激に減っており、良好な野生生物の生息域とそこで生活をしている人々に危機が迫ってきております。

そこで野生生物生息域管理コンポーネントの仕事は、多様な野生生物と彼らに必要な生息域、そしてそこで住む多様な民族が良好な関係を持って生活していくことによって人々の生活が発展すると同時に野生生物に生息域を持続的に提供していくことを目指しています。科学的知見からどれだけ社会、人々を保全に向かえるようなシステムを作っていくことです。プログラムの中で科学から現実の保全への最前線のコンポーネントといえます。サバの人たちだけでなく、マレーシア、日本、そして世界の人々からのご理解とご支援を必要としております。

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