環境教育アドバイザー(2代目):田儀耕司(たぎ こうじ)

2004/5/22

1968年生まれ。大学卒業まではずっと関西に住んでいましたが、大学卒業後は引越しに次ぐ引越しで、3年以上同じ場所に住んだことがありません。子供の頃から自然が好きで、中学生頃からバードウォッチングにのめり込んでいました。社会人になってからも自然に関わる仕事への未練が捨てられず、2年で会社を辞め、オーストラリアで野生生物管理学を学びました。その後、環境省、国際湿地保全連合で主にラムサール条約、二国間渡り条約・協定の仕事に携わり、自然を愛でる立場から、自然の保護・適正な利用を進める立場に変わりました。とはいうものの、相変わらず週末はキナバル山やポーリン温泉の近くでバードウォッチングを楽しんでいます。

私のBBECでの仕事は、環境啓発コンポーネントのアドバイザーで、井口専門家の後任として、2004年2月22日に着任しました。マレーシアとは縁があり、国際湿地保全連合在籍時には、クアラルンプールで2年間仕事をしていました。自然保護関係の仕事には7年ほど関わってきましたが、環境教育・普及啓発の仕事を主たる業務として携わるのは初めてで、試行錯誤の毎日です。BBECのプロジェクトが行われているマレーシアでは、学校に環境教育という科目はありません。日本で環境教育を取り入れている総合学習の時間のようなものもないのが現状です。また、人々の環境保全に対する意識はまだ低く、ペットボトルやアルミ缶のリサイクルを自治体レベルで行っているところもほとんどなければ、ゴミのポイ捨ても日常光景としてよく見かけます。

環境教育・普及啓発に必要なのは、まずは知ってもらうこと、次に考えてもらうこと、そして行動を起こしてもらうことです。例えば、近くにキナバル山があっても公園内の道路を走り回るしか知らない人たちに、遊歩道を歩いてもらい、野鳥や昆虫を見て自然の素晴らしさを知ってもらうこと、次に、その自然が失われることがどうして問題なのか、なぜ自然を守る必要があるのか、自然を守るためには何をすれば良いのかを考えてもらうこと、そして最後に自然を守るために、ゴミを捨てない、木を植えるなどの具体的な活動を起こしてもらうという3段階があって、初めて自然環境教育が上手く実践されていると考えています。残念ながら、サバでは教師が野生生物保護区に行こうと生徒を誘っても、親が反対するような状況にあります。

もうひとつ大切なのは、環境教育を実践する人たちの育成です。ここの人たちは、ワークショップやセミナーというものは、一方的に情報を押し付けるものだと思っているようです。大切なのは、相手が理解できるような説明をし、相手にも考えさせることということを指導する立場にある人たちに理解してもらうのも私の仕事です。学歴もあり、プライドも高い人たちを変えていくのは至難の業ですが、やりがいを感じています。

日曜日となるとショッピングセンターで一日過ごすサバの親子連れの中から、自然観察に行き、自然と触れ合う人たち少しでも多く出てきてくれるのを切に願っております。

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