青年海外協力隊 コンピュータ技術隊員 仲田 宗源(なかだ・そうげん)


(写真1 左から3番目が筆者)


青年海外協力隊コンピュータ技術隊員の仲田と申します。このホームページ(メールマガジン)をお読みの方々は、私よりも自然環境、保護について精通してらっしゃるのかと思います。

皆さんは、地球環境保護、生物多様性保全を進めていくにはどうしていけばいいと思いますか?とても大きなテーマなので、答えは当然ひとつではないですよね。私はその分野の専門ではありませんが、このように考えています。

「地球の一人でも多くの人が、地球が直面している現実を知って どのようにしたらいいかを皆が考えていくこと」

恥ずかしいことですが、日本で生活していた私は、夏は冷房をつける中布団を被って寝ていたり、ごみの分別も適当にやって生活していました。今日もどこかで、東京ドーム何個か分の森が消えていると聞いても、どこか遠くの国のお話のようにしか思えていませんでした。

そのような私が始めてマレーシアに来る際、飛行機の窓からマレーシアのパームオイル林が延々と続く風景を見たとき、それが、いったい何の風景か分かりませんでした。同行していた環境教育隊員が「あれは、パーム林。熱帯雨林を切り開いて作ってんねん。」と教えてくれたときは、自分の無知と、自分の思い描く地球の風景が違うことに全身から血の気が引いたことを覚えています。日本で、環境に良いとされている植物油は森林を切り開いて作られていたのですね。

(写真2 ボルネオ島のオイルパームプランテーション)

そう、私は地球が直面している現実を知らなかったのです。

私が赴任しているマレーシア国立サバ大学は約10万点の昆虫や植物の標本を抱えています。それも日本で見たことのない特殊なものばかりです。食虫植物「ウツボカズラ」なんてものもありますよ!

でも、その標本があることを世界の人に知ってもらうにはどうしたらいいでしょう?その標本がなんという名前なのか、どこで採取されたのか?どんな声で鳴くのか?そんなあらゆる情報をデータ化し、ひとつのコンピュータに蓄え、それらを研究者だけでなく、一般の人たちにも情報発信していくということもその目的に至るひとつの方法ですね。

その目的で日本の企業が作成し、導入されたMuseBaseというデータベースソフトがあります。私はそのMuseBaseの管理・運営のために青年海外協力隊員として技術協力を行っています。

MuseBaseを有効に使うことで、世界の人々が、ボルネオ島にはどのような種の動植物がいるのだろうということをインターネットを通じて学んだり、学者の方が動植物標本管理をしたり、可能性はとてつもなく大きいものです。

私は情報というものが、いまや水道や電気に匹敵するくらい重要なものだと考えています。中には生命に関わるものもあります。天気予報や地震の情報、交通事情の統計などもその類ですね。

昆虫や植物の情報から、それらが今おかれている現状を知ってもらい自然環境保護の動きがより活発になる一助となればこんなに嬉しいことはないでしょうね。

私はコンピュータシステム開発会社に勤めデータベースというものが、情報の基盤であり、データベースのとてつもない可能性を目の当たりにしてきました。コンピュータがなんたるかを知らない私を育ててくれたのにも関わらず、「協力隊に参加したい!!」という我侭な私の行動に対し、暖かく送り出してくださった皆さんへの感謝を忘れず、恥ずかしくない活動をとても心温かな人たちの暮らすボルネオ島で行っていきたいと考えています。

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