2代目保護区管理長期専門家臼井俊二(うすい・しゅんじ)

小さいころから自然は好きでした。近くの川で亀を探したり、田んぼでカエルを捕まえる日々を過ごしました。大学の専攻は自然人類学、クラブ活動ではツキノワグマの生態調査のために山の中を歩き回っていました。哺乳類を見ることができそうなので、このクラブに入りましたが、哺乳類はなかなか見られませんでした。そこで、鳥を見るようになり、職業もその影響を受け、大学卒業後は財団法人日本野鳥の会に就職しました。日本野鳥の会には10年間籍をおきましたが、そのうち約3年間はイギリス・ケンブリッジにある国際鳥類保護NGOのICBP(現在はBirdLife International)に、アジアでの鳥類保護活動のまとめ役であるAsia Officerとして出向しています。

1993年に日本野鳥の会を退職し、イギリス・エジンバラ大学の自然環境管理学修士課程に入り、環境経済学を学びました。ケンブリッジにいたころ、「自然保全に一番影響を与えているのは人間の経済活動。経済について知っておく必要がある」と思ったからです。

1995年財団法人自然環境研究センターに入社し、コンサルタントとして国際協力機構や国際協力銀行の自然環境保全に関する仕事を行ってきました。

BBECでの仕事は「保護区管理」です。サバ公園局が管理している6つの公園の1つ、クロッカー山脈公園が私の管轄公園です。

クロッカー山脈公園は、州都コタキナバルの南西にあるクロッカー山脈の一部をカバーしています。面積は約1400km2(沖縄本島の約1.2倍)あり、サバ州西部に住む人々の大切な水源になっています。サバ州北部は世界でも生物多様性が高い場所とされていて、クロッカー山脈公園はその重要な保全場所でもあります。

公園は8つの郡(district)に囲まれています。その人口は近年急速に増えています。州都のコタキナバルの人口も同様に増加しています。それに合わせるように様々な開発計画(農業開発、道路開発など)が策定され、実行されています。また、公園の中には少なからず人が住み、公園の敷地を焼畑として利用しています。このように、地元住民からのさまざまな圧力が公園管理を難しくしています。

サバ公園局が1代目保護区管理長期専門家とともに、クロッカー山脈公園の管理計画案を昨年度末に完成させました。中心命題は「地域住民との共生と、生物多様性・水資源の保全」です。

私の役割はこの計画案を完成させて、サバ州議会での承認を得た後、様々な関係者・関係機関と共に計画を実施していく土台をサバ公園局と作っていくことです。

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