「日本人と働くのは大変だ」サバ大学熱帯生物額研究所マリアティ所長のため息
2003/11
館 卓司

*この文章は、JICA「フロンティア」11月号に掲載されたものを転記しています。

“The Japanese are here! Look at the way they work.” In the beginning, it was not easy for us to follow Japanese fast steps. Then the way they harp at you for progress report, and worse to get your budget done on time. We caught glimpses of annoyance on faces of some of our junior staff, and sighs of relief when one task is being accomplished.  I guess the greatest challenge is to convince our staff that we all are working together and of one heart and mind to get going and making our programme a real sustainable success, for conservation of precious Bornean Biodiversity and ecosystems, in Sabah.


Prof. Maryati Mohamed,

Director,

Institute for Tropical Biology & Conservation,

Universiti Malaysia Sabah

日本語要約 (草野

 日本人たちがやって来た当初は、物事の進め方の速さ、報告書作成、予算を効率的に計画時期に執行することなどなど、私たちにとっては難しいことの連続でした。若い職員の中には困惑顔をする者もいるし、一つの仕事をやり終えるとほっとしてため息をつく者もいます。ボルネオの貴重な生物多様性と生態系を保全するために、日本人と一緒に働き、心を一つにして、このプログラムを実行し、持続性のある成功を達成しようと、彼等を納得させることが私にとっての最大の挑戦です。

マレイシア国立サバ大学熱帯生物学・保全研究所長(「ボルネオ生物多様性・生態系保全プログラム」の運営委員会書記兼研究教育コンポーネント長)マリアティ・モハメッド教授


総合的に考え行動する生物保全学者: サバ大学熱帯生物学保全研究所長


 

こちらは、マリアッティ教授です.彼女は、サバ大学の熱帯生物学保全研究所(通称ITBC: Institute for Tropical Biology & Conservation)の所長です.ここは、BBECの研究教育コンポーネントの主管機関にあたります.

彼女の専門は昆虫学で、特に、熱帯のアリを対象とした研究を行なっています.昆虫だけではなく、植物や他の動物、人間と動物間の係争、エコツーリズムなどに関しても幅広い知識を持っており、多くの学生指導もしています.

彼女は大変忙しい人で、普段はなかなか捕まりません.会議、授業、学生たちとの研究の話や予算等の打ち合わせ等で彼女のスケジュール帳は、1、2カ月先までの予定がびっしり詰まっています.私たち専門家もちょっとした打ち合わせをする場合にも、秘書の人にスケジュールを聞いて、時間の空きを確認し、予定を入れておいてもらう必要があります.時には彼女の部屋の前に学生やスタッフたちが列になって順番待ちをしていることもしばしばです.

彼女は、敬虔なイスラム教徒で、7人の子供の母親です。この忙しいスケジュールの中、子供の卒業式のために、オーストラリアやアメリカなど世界中を飛び回る母親の姿も、見せてくれます.

また、このプログラムでは、研究教育コンポーネントもさることながら、プログラム運営管理委員会の書記として、全体の運営・管理も行なっており、なくてはならない存在です.このコンポーネントやプログラムを動かす手腕には、ただ驚くばかりです.

このように、彼女はBBECプログラムという大きなものを扱ったり、学生やスタッフのことをケアしたりと、彼女の休んでいる姿を見たことがありません.でも、いつも元気で、笑顔を絶やさない人です.どこから、このパワーが出てくるのか不思議です.日本にもこんな大学教授が沢山いればいいですね。

 

 

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