フェーズ2チーフアドバイザーからのご挨拶とフェーズ2コンセプトについて
チーフアドバイザー:長谷川基裕(はせがわもとひろ)

BBECフェーズIIのチーフアドバイザーを務める長谷川基裕と申します。

国際協力専門員(自然環境保全担当)としてJICA地球環境部(東京本部)のアドバイザーを務めた後、2007年10月よりマレーシア・サバ州政府天然資源庁に勤務しております。

大学では野生生物学を専攻し、特に哺乳類の行動生態を保護管理に応用す
ることを専門としています。

クロッカー公園奥地にある村へ向かう(筆者)

着任以来、コンセプト及び活動計画の策定を中心に作業を進め、さる4月25日には、BBECフェーズII開始式典がとり行われました。以下、簡単にフェーズIIのコンセプトを紹介します。

環境保全を効果的に実施するには、生態系を総合的に保全するシステムが必要です。そのシステム構築に際しては、大まかに言って

(1)調査・モニタリングに必要な技術、

(2)調査・モニタリングの結果を意思決定に反映させるための組織的・制度的な仕組み、

が必須と考えられます。

BBECフェーズIでは主に(1)の技術支援を中心に活動を行いましたが、フェーズIIにおいては(2)の組織・制度の強化を主眼にサバ州政府を支援する方針です。

具体的には、2000年に制定されたサバ州の法律「生物多様性条例2000」の実施を促進し、本条例に定められたサバ州生物多様性センターを支援、強化する活動を行います(センターが新設されたところです!)。

環境保全を組織的に展開することを目的として、本センターには、森林局はじめ、野生生物局や公園局、環境保護局といった複数組織を調整する機能が求められていますが、これは容易なことではありません。

そこで、フェーズIIでは国際条約を効果的に活用することを支援戦略の1つとして掲げ、まずは、サバ州第一号のラムサール湿地登録に向けた活動を行い、複数機関の連携及びセンター機能の強化を進めます。こうした活動が、フェーズI終了時の課題として残った「保全体制(フェーズIのコンポーネント)の統合化」の達成につながると考えています。

このように、サバ州政府外のアクターとして中立的な立場から環境保全の推進を支援することは、組織間の連携を構築するうえで効果的であり、そこにJICA支援の大きな意義があると考えています。

フェーズIIは2012年9月までの5年間の稼働予定ですが、10年間にわたるJICA支援、すなわちBBEC全体の成果として、サバ州に自律的かつ総合的な環境保全システムを確立することを目指してまいります。

今後とも温かいご支援を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。


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