保全生物学専門家・高橋 晃
派遣期間:2004年6月10日〜2005年6月9日
2004/8/28

高橋 晃

このたびJICA・BBECの保全生物学専門家として、研究教育コンポーネント主務機関のサバ大学熱帯生物保全研究所にやってきました。

1954年岐阜県生まれ。現在、兵庫県立大学自然環境科学研究所に勤務しています。兵庫県立人と自然の博物館の研究員も兼務していて、普段は博物館で社会教育に携わっています。大人から子供まで生涯学習が盛んで、セミナーをやっていると、学校の退屈な授業よりもずっとおもしろい、とよく言われます。そう言われるのは嬉しいことですが、翻って、大学の授業は果たしておもしろくやれているだろうか?と自問することになります。教員の身としては考えさせられる言葉ではあります。

専門分野は植物学で、おもに樹木の生長、構造、進化などに興味を持ち研究してきました。日本から東アジアの温帯域の植物を材料としてきましたが、サバ州には5年ほど前から何度か調査で訪れ、熱帯の植物も少し見るようになりました。しかし熱帯の植物はどれも同じに見えて区別が難しいですね。

博物館での活動の中で、兵庫県の絶滅危惧植物について関わるようになり、ある種を保全するためには生態系全体の保全が必要であることを強く感じるようになりました。生態系の中には野生生物だけでなく人間の生活が含まれています。したがって人間と自然の生き物との共生がどうしても必要になってきます。人間の生活と自然保護とがうまくバランスをとらねばなりません。

サバに何度か訪れるたびに、年々、熱帯雨林やマングローブ林などが減少していることを実感します。熱帯林保全のプログラムが進展し、そういった減少が早く食い止められるよう願っています。

このプログラム開始から2年間の間に、たくさんの専門家によって研究教育面での技術移転が行われ、サバ大学スタッフは熱帯生物保全のための幅広い経験を積み手法を習得してきました。

今後は、野外調査、標本の収集保管、研究、出版、後進の教育など、大学研究所・大学博物館として熱帯生物の多様性保全に必要な活動のレベルを、世界標準に上げることが望まれます。サバ大スタッフの努力を応援することが私の役目と心に決め、頑張っていこうと思っています。

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