BBECの自己評価実施
三戸森宏治(業務調整)

 BBECはボルネオ島サバ州の生物多様性を保全するための日本の取り組みですが、2007年1月でその協力が終了となります。日本政府のODA(政府開発援助)事業の一つとして、国際協力機構(JICA)を通じて行われている事業であり、その活動内容の評価は重要なイベントとなります。BBECにおける評価は、BBECメンバーによる”自己評価調査”、マレーシア・日本の合同評価団による”終了時評価調査”の2つが行われます。評価の手法は自己評価調査、終了時評価調査ともにJICAの評価モニタリングシステムに沿い、BBECプログラムの活動計画の達成状況の評価と、BBEC活動をさらに5つの項目(妥当性、効率性、効果性、インパクト、持続発展性)の視点から評価が行われます。


調査の最後に実施した保全戦略を見直すための目的分析ワークショップの様子

BBECでは、様々な機関の人が連携して活動を進めていくため、プログラムデザインマトリックス(以下、PgDM)と呼ばれる活動計画を作成し、その内容に沿い日々進められています。このPgDMはBBECが開始される前に作成されましたが、その後サバ州の実態やニーズをより的確に反映させるために関係者参加の上で改訂を進めてきました。その改訂はBBEC活動の中盤まで行われていました。今回は、計画された活動が如何に進められてきたかをその協力期間の最後に調査する総決算ともなるイベントです。

今回は、先月実施しました自己評価調査についてご報告をします。自己評価調査は、関係者が多く活動内容が多岐にわたるBBECプログラムを終了時評価に先立ち効率的に評価するために、自らJICAの評価指標に従い評価を進めました。

評価を行う場合には、多くの関係者はとても神経質になります。どの世界でも自分たちの評価がマイナスになることを非常に恐れ、時には激しい議論になることもあります。そのため、自己評価ではあるものの評価をJICAの評価指標に従い論理的に方向整理する人が重要となります。今回は、参加型モニタリングという分野の専門家にその任を依頼しました。


自己評価調査内ワークショップの様子

3週間で、計6回のワークショップを実施し、プログラムとその下に位置づけられる4つのコンポーネントの活動を振り返りました。その結果の概要としましては、活動の達成度はほぼ活動の達成見込みがあると結論が出され、評価5項目についても、サバ州政府の政策との一致という点から妥当性は高く、効率性については日本側、マレーシア川からも適切な投入が適時に行われ適切であったと判断されました。効果性も計画面や目的から判断し十分確保されている点が確認されました。一方、生物多様性情報のネットワーク化については、当初計画からは限定した形で行われている点が指摘されました。インパクトについては、プログラムの協力より更に上位の目標に対して現在のBBECが貢献したかが評価の対象となり、現段階では客観的な判断を下すことは難しいですが、特に多くのサバ州の関連する機関が生物多様性保全への目を開いたこと、新聞等メディアを通じた生物多様性保全関連の記事の掲載数の増加による地域住民への周知などが大きな理由として挙げられ、上位目標に対しても現状では良い影響を与えているであろうと判断をしました。最後に、特に評価で注目される持続発展性については、サバ州の生物多様性保全政策に沿った形で進められており、今後も通常の業務として実施されることが多い点は確認されました。

今回の結果は、あくまでBBECのメンバーによる評価ですので、今後今回の自己評価調査の結果を元に終了時評価調査が派遣され、今回の自己評価調査で十分に得られていない客観的データの収拾等を行うこととなります。

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