BBEC後の活動計画作成へ 環境啓発コンポーネントの統合化ワークショップ開催
2005/10/17
田儀 耕司(環境教育)

 9月は環境啓発コンポーネント(PAC)にとっては、一つの転換期になりました。これまで、BBECという枠組の中で実施してきた環境教育・普及啓発活動を日本の協力が終了した後にどのように続けていくのかが重要な課題です。環境啓発コンポーネントの作業部会が打ち出した結論は、これまで通り、科学技術室を核とした環境教育・普及啓発活動の継続でした。同作業部会が選んだのは活動計画の策定です。既存の5つのタスクフォース(教員、ジャーナリスト、政策決定者、NGO、開発業者)のBBEC後の3ヵ年(2007〜2010年)の活動方針を提示し、サバ州政府の環境教育政策策定への道筋を示すものです。


教員タスクフォースの会議風景

9月20日から3日間、環境教育政策の短期専門家高橋正弘さんを招いて、PAC主催で各タスクフォースの活動計画案策定のための議論が行われました。教員タスクフォースでは、タスクフォースのメンバーから、@既存の環境教育ツールの普及促進、A教員向け研修の実施、Bスクールキャンプなど、野外環境教育への支援の3つの活動が挙がり、教育局を中心に、各機関が環境教育活動を支援していくことが合意されました。メンバー自身がジャーナリストであるジャーナリスト・タスクフォースでは、@環境ジャーナリズム研修、Aサバ州外から環境ジャーナリストを呼んでのセミナ

ーの実施、B現地視察を含めた環境ジャーナリズムワークショップの実施の3つの活動がメンバーから挙げられました。政策決定者タスクフォースは、@生物多様性保全の重要性を説明するセミナーの実施、Aサバ州公務員研修所(INSAN)との連携による、公務員向け生物多様性に関する法律のワークショップの実施を、NGOタスクフォースは@NGOのメンバーへのセミナー、スタディ・ツアーの実施、ANGOメンバーへの生物多様性保全に関する研修の実施を、開発業者タスクフォースは旅行産業、プランテーション産業、林業、建設業に対して、環境関連の法律の遵守を促すことが活動として挙がりました。


環境教育政策を説明する高橋専門家

9月23日は環境啓発コンポーネント内のみならず、BBECの他のコンポーネントや普及啓発活動に関わるBBEC外の機関も招待し、環境啓発コンポーネントを他の活動と統合化するためのワークショップを行いました。
各タスクフォースの代表が20分ずつ発表した後、高橋専門家が日本やアジアの環境教育政策の事例を発表し、環境教育の中核を担う組織の必要性を訴えました。
この日の山場は最後のディスカッションです。既に科学技術室が環境教育・普及啓発のコーディネートを引き続き行う意志を見せているのですが、慎重派のモクタール室長(環境啓発コンポーネント長)は周囲から賛同してもらって引き受けるという形にしたかったようです。外部の参加者から、「Sabah Biodiversity Centreが中核を担ってはどうか」という意見も出されましたが、NGOタスクフォースリーダーのエンジェルさんやジャーナリストタスクフォースリーダーのジャスウィンダさんらが、「これまで科学技術室が中心的な機能を果たしてきたのだから、引き続き科学技術室が行うべき」という見解を述べ、最終的には参加者からの賛同を得られた形になりました。最後はモクタール室長が、「今後、環境教育政策策定の可能性も含め、皆さんの協力をお願いしたい」という趣旨の言葉で締めくくりました。

ワークショップ終了後、モクタール室長が「上々の結果だったね」と嬉しそうに笑みを見せました。


ディスカッションセッションの風景

環境教育政策策定までの道のりはまだまだ遠そうですが、この活動計画の策定がきっかけになり、一本の道筋が整っていくのではないかと期待しています。

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