マリアウ・ベイスンの科学調査がもうすぐ始まる
2005/2/20
高橋 晃

 マリアウ・ベイスンはサバ州のちょうど真ん中にある大きな盆地で、これまで森林伐採が行われずに残された、第1級の森林保護区です。広い範囲に原生林が残り、熱帯雨林の最後の楽園といわれています。アクセスの難しさにより調査も十分になされていません。今回、BBEC研究・教育コンポーネントが中心となって、2月25日から3月24日までの一ヶ月間、マリアウ地域での合同科学調査を行います。

テキスト ボックス:     この保護区はサバ財団(Yayasan Sabah)が管理しているため、サバ大学とサバ財団とがオーガナイザーとなって調査を実施します。ベースキャンプはジンセン・キャンプというところに決まり、サバ財団がキャンプ建設を始めています。

 マリアウ・ベイスンは、いわば巨大なクレーターで、周囲が山の稜線で囲まれ、内部は低くなっています。稜線の外側の麓にはスタディ・センターとアガティス・キャンプが作られていて、そこまでは4WDの車で入れます。といっても、最寄りの大きな町であるタワウから4WDで5時間以上もかかります。今回、いろいろ検討の末、コタキナバルからケニンガウを通ってアガティス・キャンプまで、陸路で入ることに決まりました。安くて、確実に時間が読めるということでこのルートになりました。

 25日の朝8時にサバ大学を出て、夕方6時頃アガティス・キャンプ到着予定です。一晩泊まって次の日は歩いてマリアウ盆地の中へ入ります。ジンセン・キャンプまでは6〜7時間の徒歩というふれ込みですが、屈強なレンジャーならいざ知らず、軟弱な研究者集団は果たして日が暮れるまでにキャンプに着くのか!? これが今の最大の関心事です。

 ヘリコプターでジンセン・キャンプまで行く、という夢のような計画がありましたが、夢で終わりそうです。お金がかかり過ぎます。少なくとも調査用機材などの重い荷物はヘリコプターで運び込もうと準備していますが、人間はやはり歩くことになるでしょう。

テキスト ボックス:         アガティス・キャンプから帰りの車の手配も結構大変です。台数に限りがありますから、自由に動かすことは難しそうです。何人か集まって一緒に下山するということが必要です。総勢50人以上にもなろうという調査ですから、この車のアレンジは本当に大変です。一旦、ジンセン・キャンプに入ったらなかなか出られないかも知れません。

 ジンセン・キャンプでの生活も、従来の調査よりずっと厳しいものになりそうです。すぐそばに大きな川がなく、水があまり豊富ではないようなのです。飲料水は薄い黄色の水だそうです。コーヒー色をした酸性の強い川の水が混じるようで、どうしても黄色くなるようです。一日の仕事が終わった後、川での水浴が楽しみの一つなのに、ちゃんと水浴びできるのか心配です。こんな大変な思いをしてでもマリアウ・ベイスンへ行くことを楽しみにしている研究者というのは、やはり普通の人からしたら変わり者なのでしょうね。

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