3.ジャングルスクールで日マ両方が学ぶ自然保全

2004.8.2
田儀 耕司

7月22日から28日にかけて行われた「ボルネオジャングル体験スクール」は、兵庫県人と自然の博物館が主催し、今回で6回目を迎えています。霊長類の研究で世界的に有名な河合雅雄先生の発案で始まったものです。ジャングルスクールの狙いは、熱帯雨林の環境とそこにすむ生き物たちを自分の目や耳で確かめるだけでなく、熱帯雨林の破壊や保護の実態を知り、自分たちの生活とのつながりを考えたり、マレーシアの学生との交流狙いとしたりしているものです。日本からは引率者を含む約30名、マレーシア側はLahad DatuのScience Schoolから8名の生徒が参加しました。以前、私たちのプログラムに長期専門家で赴任されていた兵庫県博の高野温子さんの仲介もあり、BBECからも参加させていただけることになりました。そこで将来のエコツアーを見据えて、生息域管理コンポーネントからの4人、環境啓発の研修のため環境啓発コンポーネントから2名、さらに日本人専門家2名の総勢8人で参加して来ました。

ジャングルスクールに参加したサバの人たちが圧倒されたのは、日本の子供たちの自然に対する強い好奇心です。環境啓発コンポーネントのメンバーのAngelさんや、科学技術室のKenさんは、「マレーシアでは、子供の時代にあまり自然と触れ合う機会がない」と語り、日本の子供たちの自然への関心の高さにかなり驚いていたようです。

最初は日本の子供たちに圧されていたサバの子供たちも、そこは子供同士、日が経つに連れて打ち解け、3日目を過ぎた頃から日マの子供が入り混じってジャングルの中を歩く姿を目にするようになりました。Angelさんたちのコメントも、「マレーシアなりのやり方をすれば、きっとこっちの子供たちも自然への関心を高めるよ」に変わっていました。

今回のジャングルスクールへの参加が、KenさんやAngelさんのような環境啓発コンポーネントの関係者には、自然や野生生物を直接眼にし、触ることが自然に対する関心を高め、ひいては保全に結びついていくということを理解してもらうきっかけになったと思いますし、サバの子供たちには、自分たちの周りの自然が海外から大金を払ってまで見に来る価値のある、素晴らしいものという理解を得るきっかけになったのではないかと思います。また、Lahad Datu Science Schoolから参加した子供たちには、日本の子供たちも影響を受けることが多かったのではないかと思います。8名の生徒のほとんどが日本語で自己紹介し、言葉のハンディはあるにしても、日本の子供たちよりも、より自信を持って発表をしていました。

環境啓発コンポーネントとしては、今回のジャングルスクールに参加した10名のサバの子供たちが、自然環境保全に対して、現在どのような意識を持っているのかを追跡調査していくと共に、AngelさんやKenさんに今回の視察についての報告書を書いてもらい、他の環境啓発コンポーネントのメンバーと共に、どうすればサバの子供たちに自然に親しんでもらい、自然保護意識を高めてもらえるのかを考えていきたいと思います。

(了)

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