政治家を自然環境保全に巻き込む「BBEC国際セミナー」に参加して
2004/03/24
ケニア野生生物サービス局(JICA派遣専門家):今栄博司
2004年2月25日〜27日マレーシアサバ州のBBECプログラムが主催した国際セミナーに、リチャード・オバンダ氏(教育部門上級監理官代理)と共に参加した。

1日目は基調講演、2日目は東南アジア熱帯雨林での生物多様性保全に関する様々な研究発表、3日目はパネルディスカッションであった。

ちょうど生物多様性条約会議(COP7)がクアラルンプールで行われた直後であり、COP7に参加した人も多かったため、生物多様性保全に関する最新の世界情勢についての話が聞けたのは非常に刺激的であった。

何人もの参加者から「COP7には行ったか?」と尋ねられ、行けなかったのを残念に感じた。今回の技術交換出張だけで12日間ケニアを留守にしており、教育部門を実質的に切り盛りしているオバンダ氏をあまり長く通常業務から離れさせることは好ましくないと判断してCOP7への不参加を決めたのだが、KWS(ケニア野生生物サービス局)のスタッフの層がもう少し厚ければそのような国際会議にも参加し易くなるであろう。

また、様々な研究発表を聞いていても、社会経済的な面も含めて多様な研究がなされており、その意味でもマレーシア側研究者の層の厚さを感じた。

 実際にサバ州の主席大臣などにも参加してもらっていたのを目の当たりにして、政治家を巻き込むことの重要性とBBECにおける「包括的な取り組み」の意味を理解できたのは大きかった。BBECでは政治家などを巻き込むことで州の発展計画の中に自然環境保全の側面を取り込み、そうすることで大学も含めて様々な州政府機関が関与すべき自然環境保全の活動を、政治がうまくコーディネートせざるを得ないように仕向けているのではないかと感じられた。

 いわば、政治を自然環境保全の推進力にしようとしているように思えた。マレーシア側のオーナーシップで自然環境保全を進める場合、政治を抜きにしては不可能であるし、その意味ではプロジェクト実施中に政治を巻き込んでおいて、自然環境保全をサバ州の発展軌道に乗せてしまおうという、プロジェクト後を見据えた戦略のように思えた。

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