生物多様性保全に向けてターゲットグループの行動様式を変化させるモデルの構築を進める
2003/10/10
井口 次郎
1:効果的な一般向けキャンペーンを計画する。

(1)「キャンペーン実施計画策定ワークショップ」を2003年4月2、3日の2日間開催した。本コンポーネント実施機関をはじめ、連邦政府サバ教育局、農業局、灌漑排水局、WWFマレーシアの代表者ら計26名が参加した。短期専門家(環境コミュニケーション)として派遣中の久保田賢一関西大学教授の指導のもと、作業が行われた。ワークショップの成果として、教員、ジャーナリスト、開発事業者、政策決定者、環境保全を専業としないNGOの5グループが環境啓発活動のターゲットグループとして選定された。また、このうち教員について、キャンペーン実施計画の草案(PDM書式)が作成された。

(2)「ターゲットグループ・ワークショップ」を5月2日に開催した。ターゲットグループ代表者を中心に、計40名以上の参加を得た。ワークショップではターゲットグループ毎にサブグループに別れ、ターゲットグループ代表者自身と本コンポーネント実施機関が参加型計画手法により作業を行った。成果として、4つのターゲットグループについてキャンペーン実施計画の草案(PDM書式)が作成された。

(3)「教員ワークショップ」を6月19日に開催した。コタキナバル市およびクロッカーレンジ公園周辺の25校の中学校から40名以上の教員が参加した。ワークショップの結果、上記教員向けのキャンペーン実施計画に、教員自身により修正や新たな活動が加えられた。たとえば、自然教育センターの最新情報が、教員達に十分知らされていないことが明らかになったため、サバ州内の全自然教育センターのダイレクトリーを早急に作成することが計画された。

(4)教員への環境啓発キャンペーンの効果を測るための「教員啓発ベースライン調査」を8月より開始した。本調査では、環境教育に関する教員の知識・態度・行動を分析するために、サバ州内の全中学校187校を対象とした各校3名の教員に対するアンケート調査と、選抜した教員に対するインタビュー調査を実施中である。本コンポーネントの教員タスクフォース(後述)により、これまで150件のアンケート調査、20件のインタビュー調査、6件の学校視察が実施され、調査は現在も実施中である。これまでの調査結果によれば、教員は環境教育の重要性を認識している。しかし、多くの教員は、生物多様性と環境保全について基本的な知識を欠いている。また、理科教員の多くはなんらかの形の環境教育を授業に取り入れているが、理科以外の教員の多くは環境教育を実施することができない。また、教員の多くは各教科の授業に環境教育を効果的に取り入れるための知識と技能を持たないことが判明した。

 

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