DNA分析研修
2003/07/1
館 卓司
研究&教育コンポーネントでは、ボルネオ唯一のDNA実験室を使って、DNA 分析方法を習得させるためのの研修をおこなっています.昨年10月に基礎コースを実施しましたが、この6月から本格的なコースを開始しました。

近年、系統学、保全生物学や生態学などの生物学研究では、DNA分析は必須とでもいうべき手法となっています。その技術をサバ州の人たちに移転して、研究をより広範におこなえるようにするという事がこのコースの第一の目的です.彼等が自分達の学生らにもその方法を教授できるようにすることも教育機関としては重要です。また、サバ州内の他の機関の人たちにもこの施設を紹介して共同研究などを促進させ、ITBCを生物多様性情報のセンターとすることも、私たちの協力(BBECプログラム)の目的のひとつです.

今回の参加者たちは、サバ大学の助教授(マシタさん)や講師(ホマさん、モニカさん、理学部よりザハディさん)をはじめとして、森林局(トィエンさん)や野生生物局(ロサさん)の計6人です。

参加者が少ないように思えますが、この実験は大量の人数をさばけるものではなく、少数精鋭でやるものなので、私たちが人数制限した結果なのです。森林局では、是非行きたいけど業務のために参加を諦めたという話を聴くと少し残念な気がしました.

参加者のうち男性は一人で、残りの5人は女性です。マレーシアでの大学進学率は女性のほうが高いと聴いた事がありますが、それを反映しているかのようです。

このコースでは全工程を4回に分けて、それぞれを1週間と短くしました。それは、サバ大学のスタッフやその他の参加者たちが通常の授業や業務があるために、長期の研修やトレーニングコースなどには参加できないからです。今回はそれの第1回目です。8月に2回目、11月に3回目と来年1月に4回目を計画しています.

いろいろな都合上6月9日からこのコースをはじめる事になったのですが、運悪く6月は新入生の授業科目の登録に当たっており、サバ大学の人たちは大変忙しくしていました.それを横目で見ながら、心の中で「こんな忙しい時に、DNAのコースを企画してごめんなさい。」思っていました.

午前中オリエンテーション後、彼等に研究のプランや授業等の時間帯を聴き、彼等の1週間のスケジュールを作成しました.その際、彼等と長期専門家(私と高野さん)の専門を考慮して、2グループ(動物と植物)をつくりました。高野さんの植物グループは、マシタさん、モニカさん、ザハディさんとトィエンさんで、私の昆虫グループは、ホマさんとロサさんです。

午後からは、マシタさんとトィエンさんが実際に実験を始めました.事は順調に進み、最後にマシタさんがDNAを取れた事に喜び、笑顔で「thank you」と言ってくれた事が非常に印象的でした.これから、まだまだいろいろな問題に直面するとは思いますが、とりあえず初日を終えて、ほっとした私たちでした。


トィエンさんの実験にアドバイスする高野さん


マシタさんと一緒にDNAをみている高野さん

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