当プログラムの報道件数100件を超える
2003/4/29
草野 孝久
BBEC(ビーベック)が始まってから1年と3ヶ月。この間に新聞記事、ラジオやTVのニュースや番組に取り上げられた数が(確認できたものだけで)98件。

新聞記事は68件を切り抜いてますが、マレイ語、中国語、カダサン語の新聞は全紙を確認できないし、英字紙も2紙しか定期購読はしていないので、1〜2割は見落としていると考えられます。TVは4回、ラジオ9回となっていますが、こちらは放送の確認がもっと難しい。ラジオは地元の局なので教えてくれるのですが、TVは半島部にしかなくサバのニュースは滅多に放送されません。TVカメラが入っていても放送されるかさえ分からないので、「見たよ」という連絡が入るまでは分かりませんし、誰も教えてくれなかったものが幾つかあると考えられます。私が、ジャングルの川を行くボートの舳先で探検家よろしくしゃべっているのを見たという人もいるのですが、その番組は2度も放映されたとのことなのに、未だにVTRを入手できず、私は見ていません。


ということで、BBECと関連する日本の自然環境保全に関する報道は100件を超えました。


「あんたら知ってるぞ」と声をかけられたのは、キナバル山公園のポーリン登山口付近の食堂で朝飯中。コタキナバル市内では、床屋さんも、足もみのおばさんも、コンドミの住人も「新聞見たよ」と声をかけてくれます。入居当初はいろいろと嫌がらせをしてくれた隣の老夫婦も、新聞で見るようになってからは親しげに声をかけてくれるようになりました。


さて、BBECプログラムの期待される成果の7番目には、「この事業の計画・実施、結果についてサバ住民に知らせる」と言う項目があります。つまり、このようにサバ州政府の沢山の機関と国立サバ大学が一体になって、自然保全にとり組んでいること、生物多様性保全というのはそのぐらいサバ州にとって重要なこと、その中身はどんなことなのか、などが一般市民に知られることを大きな目標の一つにしているのです。それは、この日マ協力が終わった後も取り組みを続けるべき重要な課題であることを一般市民に知って貰い、一般市民の支持によって、このプログラムの築き上げていく保全と開発の調和の流れを続けられるようにという目論見なのです。

BBECの活動や日本の協力についての報道が増えたことにより、政府関係機関、NGO、他のドナー(DANCED)間での本プログラムへの理解が進み、協力を得やすくなりました。特に、工業国と思っていた日本の自然環境保全がかなり進んでいることを認識したことや、同じアジアの国の保全方式の方が欧米のものよりはサバ州でも効果的ではないかなど、本プログラムへの技術協力の妥当性を指示する声が増えてきたことを実感できます。他のドナーやNGOなどからの連携の申し入れも増えていますし、元々の実施機関でない幾つかの政府組織がBBECへの参加を希望してもいます。

何より、援助は相手国の人たちに可能な限り知られ、日本の協力を評価して貰わなければ、そして日本との友好感情を促進することに結びつかなければ、日本政府の資金を投入する意味は薄いでしょう。このことをしっかり説明しない援助や秘術協力は、いくら相手国の住民のためとか、世界的な人類の遺産を守るとは言ってみても、支持を得にくいし、また相手側にうさんくさいと思われてしまうのです。

最近は、BBEC運営委員長であるサバ州官房長自らが、「日本の援助は何も取らない。JICAはサバの生物資源を欲しいのではなく、名が欲しいのだ。こういうプログラムの支援に成功したという評判を取って、ほかの国でも協力案件を増やしたいんだよ。だから、もっと宣伝するように」などど、政府要人達に説明してくれます。ボルネオの自然資源は、いろんな国から買い叩かれたり、先進国からの知的搾取にも会って来たサバ州の人たち、いつの間にか自分たちの将来を託すべき資源が減っていることに気付いた人たちは、外国の開発や保全への援助には懐疑的です。1年かかって、JICAの関心が、商売になる生物資源や研究材料が欲しいのではないことを理解して貰いました。

自らニューズレターを出したり、ラジオの時間帯を貰いシリーズでBBECを紹介もしました。BBEC出版物は1年間で11冊出しました。いずれも好評で、第二刷を出したものもあります。早くからWeb site(ホームページ)を作って世界に向けて発信もしてます。こちらのアップデートは日本人チーム側の思うようには行ってないのですが、維持はサバ州側に任せています。


報道が増えることによる好影響は、このほか、実施機関の同僚達がやる気になることが上げられます。誰でも自分たちのやってることが新聞などで取り上げられるのは気持ちのいいものですし、自分の写真やコメントが名入りで載れば、当事者意識や責任感はますます上昇します。また、著名度が上がれば、実施機関が予算を獲得しやすくもなります。

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