国際セミナーにサバ州の首席大臣が出席
2003/3/27
草野 孝久
サバ州主席大臣の都合がつかなかったので、1日目に行うべき開会式を2日目に行いました。さすがに主席大臣が来るとなると、出席者は急増し130名ほどが参加しました。

学長、官房長、主席大臣の挨拶ともに、サバ州の置かれている状況が自然保全にとり組まなければ大変なことになることを強調。政府一丸となって保全アプローチを構築しなければならない時に、このプログラム型技術協力によりそれが可能となりつつある期待感と、実施機関の連携や人的資源の統合化をさらに図り成果を上げるようにとの指示に満ちていました。

CP達はセレモニーが盛り上がるように、非常に上手に仕組んでくれました。主席大臣がいると、会場もピリピリし、総合司会はあがってしまいました。私もスピーチは緊張してしまい、のりがイマイチでした。

式典の後、別室でVIPだけのお茶に移ったのですが、このプログラムの生息域コンポーネントで新しい保護区設置を観光環境省に申請したので閣議で了承してくれるようにCPたちが頼む場面がありました。

たった一年で「保護区申請」という5年目の目標に到達してしまうことに半信半疑でやってきたので、本当にやってくれたのだなあと実感しました。滅多に立ち会えない「新保護区の設立」の過程を後押しできたことは、国際協力屋の喜びの極みであります。但し、この環境派の主席大臣の任期は残り後1月。どうぞ閣議を通してくださいと祈るばかりです。

その後の記者会見では、曰く付きでなかなか動きださない「サバ生物多様性評議会」に苛立ちを見せ、自分の任期内に発足させるように官房長に迫る一コマもあり、政治家と役人の駆け引きをかいま見せて貰いました。

新聞記者から「JICAの協力」へのコメントを求められ、一旦は私に振ったのですが、思い直したように、「JICAは長いことマレーシアを支援してくれている。以前日本に行った時にJICA総裁にあったこともある。自分は連邦の大臣をしている時から開発の良いパートナーと思っている」と持ち上げてくれました。初めてあった時には鼻も引っかけてくれないほど無愛想でしたが、1年間の活動実績をこの人は見ていてくれたんだなと、またまた援助屋冥利につきる瞬間でした。

2局のTVカメラの他、20人ほどの記者達がいましたので、明日の新聞にどうでるか、楽しみです。


さて、セミナーの方は、国連大学の薄木さんによる「日本の国立公園に於ける

諸利害関係の調整」と題した基調講演。昨日残してしまった以下の2事例発表と続きました。

(9)ブルネイ博物館のアワンさんによる「ブルネイの国立公園管理」

(10)インドネシアのディウィさんによる「グヌン・ハリムン国立公園の保全」ではJICAの協力を高く評価する発表をして貰いました。


その後、4つの分科会に分かれ、

(1)バッファーゾーンの設置

(2)複数保護規定や多種土地利用の混在する生息域の保護

(3)環境意識向上のためのNGOと政府機関の連携

(4)調査研究の優先方式

について議論しました。

研究分科会は、PCM的にカード記入による意見提出をしたので、かなりの提言を出しましたが、他の3分科会は、残念ながら時間が足りなかったようで消化不良ぎみの結果報告でした。全体会議に戻っての質疑応答では、分科会で発表できなかった人たち、特にこのプログラムの実施にまだ関わっていないNGOやよその大学などからの参加者から、かなり厳しいコメントが出されました。

特に、環境啓発あるいは意識向上については、指標をもっと具体的なものにしなければ成果が出たのか分からないことを訴える意見が幾つも出され、コンポ長は渋い顔で反応できなくなってしまったので私から助け船。いまの計画は参加型で作ったものでかなり希望の膨らんだものになっていること、1年やってみてCPたちは現実を実感したこと、これから3月に評価を行い、計画をより現実的なものに調整すること、より具体的な指標を出していくことなどを説明しました。

ただ「活動をやった」と言うだけでは駄目で、「それで何を達成したのか説明して下さい」、「成果は何で証明できるか述べてください」と私たちが言い続けて、少々麻痺してしまったCP達も、このセミナーの会場で成果の指標をしっかり示せと迫られたことは、良い刺激になったことと思います。(そうだと良いのですが!)

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