ダガット村滞在記
2005/3/7
服部 修(JICAマレーシア事務所)

  2005年2月25日早朝。コタキナバル空港で飛行機に乗り込み、ラハダトゥ空港に向けて飛び立った。ダガット村へのエコツアーが始まった。コタキナバル空港からラハダトゥ空港まで約1時間。これからの旅程を夢に見ながら、あっという間の1時間だった。
 
 到着した私たちは、さっそく車に乗り込みボート乗り場へ向けて出発。広大なアブラヤシのプランテーションの中、舗装されていない道路を走ること約4時間。整然と並ぶアブラヤシと、わずかに残る豊かな森。こんな対照的な風景の中を走りながら、途中タビン野生生物保護区で少し早い昼食をとり、ボート乗り場に到着。ボートに乗り換え、いよいよダガット村へ向けて出発。コタキナバルを出発してから約6時間。ようやくダガット村への入り口が見えてきた。川沿いに並ぶ豊かな自然。ときおり顔を見せる森に暮らす動物たち。自然の豊かさ、大事さを肌で感じながら、とうとうダガット村へ到着した。

 村の人の心温まる歓迎を受け、いよいよダガット村での生活が始まった。ホームステイ先が決まると、さっそく動物たちに会いに、ボートで川に繰り出した。まるで私たちを歓迎しているかのように多くのテングザルが顔を出し、参加者はテングザルが顔を出すたびに写真を撮った。本当に会えるのが難しいのかと思えるくらい多くのテングザルに会うことができ、感動した。でもこれもダガット村だからだろう。夜にはワニとホタルの観察に。満月に照らされた森。まるでクリスマスツリーのようなホタル。夜空に浮かぶ無数の星。豊かな森に浮かぶ二つの光のハーモニーは言葉にできない情景だった。

 二日目。日の出とともに活動開始。三日月湖と呼ばれる池の周辺の森をトレッキング。映画「もののけ姫」に出てきそうな森を歩き、そこで暮らす動物たちを肌で感じることができた。村に帰って、ホームステイ先で軽い朝食をとり、いよいよメインイベントのエビ漁とシジミ獲り。ニッパヤシ林で泥に埋まりながらのシジミ獲り。村の人はすぐにシジミを発見するが、泥に埋まるシジミを見つけるのは素人には難しい。「泥の色が違うから」とアドバイスを受けるが、それでもやっぱり難しい。結局エビ、シジミともに大漁?で、夜の食事はなんとか確保できた。

 昼食後には、村に伝わる手工芸。自分では手先が器用と思っていたが、まったくできなかった。質はものすごく高く、絶対高く売れると思えるものばかりだが、村の人はそんなことは全く考えておらず、純粋に生活のために使っている。考えさせられた。

 村の若者が考えたオランウータンの森の再生計画、フルーツの木の植林。これにも参加した。数年後、自分の植えた木が森の再生に役立つと考えると、わくわくする。

 最後の夜。村の人たちが、私たちのためにバーベキュー・パーティーをしてくれた。昼間にとったエビ、シジミを使った、まさに自給自足、自然と共存したダガット村を感じられる最高のバーベキュー・パーティーだった。こうして夜も更けていき、最後の夜が終わった。

 出発の朝。名残惜しい思いを抱きながら、ホームステイ先で最後の朝食。そしていよいよ出発。多くの人が見送りに集まり、村の人の優しさと温かさを強く感じた。帰りのボート、車から見える自然は、行きのときとはすこし違って見えた。今回のエコツアーを通して、少し自然に対する考え方が変わったような気がする。自然環境問題に関する多くの教訓を得、多くの感動を得、それ以上に人の温かさを感じたエコツアーだった。

 最後に、ダガット村のみなさん、本当にありがとうございました。

上へ
 閉じる

JICA