サバの景気は観光業の飛躍で上向き

2004.12.20
草野孝久


Rungus LadiescSabah Tourism Association

こうしたバカンスムードに加えて、町が賑わっているのは、景気が好調のせいです。州のGDPの6割以上を占めるオイルパーム産業は、大企業と政府そして周辺諸国からの出稼ぎ労働者の収入源になっても、多くの市民にはあまり関係がありません。しかし、最近の観光業の伸びが一般市民に好況感をもたらしているのです。

 昨年はSARSや鳥インフルエンザ、テロの騒ぎで観光客が激減し、ホテルの収容率は軒並み10%台で閑古鳥が鳴いてましたが、今年はどこも満員御礼です。おかげで部屋のレートも2倍近くにあがってます。

 今年、観光省やサバ州観光協会は、中国、韓国、日本、台湾、オーストラリアなどに直行便誘致、観光客誘致の大攻勢をかけ、その成果が現れてきたのです。日本からは成田の他に関空からの直行便ができ、韓国からも、中国は上海など数カ所から直行便が、そしてオーストラリアからも直行便が来るようになりました。

 今年の州外からの観光客は150万人と推測されており、SARS騒ぎの前の年の水準の約2倍になんなんとしています。

 観光バスをたくさん見るようになり、野外ツアーのバンが何台も走り回っています。自然観光と民族文化しか見るもののないサバ州ですから、買い物客は普通のスーパーや日曜市にあふれるようになりました。こうした観光収入があちこちにトリクルダウンして、みんなが景気が良い気分になっております。


Tip of Borneo cSabah Tourism Association

 サバ州では車がどんどん売れており、毎月数千と言うオーダーで車が増えてます。おかげで、渋滞がひどくなり、朝の出勤に15分で来れた役所が40分もかかるようになりました。市街地はたった幅500mX長さ2km程度のものなのですが、ここを抜けるのが大変です。交通事故も増えてます。

 景気が良くなるとフィリピンやインドネシアからの不法入国者がますます増えます。そのせいかは分かりませんが、治安も悪くなり、強盗殺人やひったくりが増えてます。

 一時の観光景気に促される開発は環境への悪影響も心配されています。もっとホテルを造ろう、マングローブ林をつぶしてリゾートを開発、干潟を埋め立て、果てはブランド品をおいた大ショッピングモールを作ろうなどなど、長期的展望よりも目先にとらわれた話が飛び交っています。

 

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