セカマ河下流域野生生物保全区(申請中)でのホームスティ体験談
1. 金森 朝子さんより
2. 久世 濃子さんより

2004/03/26
2月末のBBEC国際セミナー終了後のエクスカーションに参加されたお二人からの感想文を紹介いたします。
 お二人がホームスティされたセガマ河下流域は、日本の技術協力の一環として、野生生物と地域住民(ティドン族:川の民)の共存を目指した保全地区とすることを目指して、保護区申請したところです。サバ州内の保護区はこれまでいずれも居住不許可で管理運営してきましたが、州内の森林の半分が消え、残りも伐採やプランテーション農業に開発されているので、伝統的暮らしあるいは自然資源の利用と野生生物または生物多様性が共存する形での自然保全が必要になっているのです。
BBECプログラム(日マ技術協力)の1つのプロジェクトは、このセガマ河下流域を、今後のサバ州での自然保全のモデルとして構築することを目標にしています。現在は坪内俊憲さんという長期派遣の専門家を中心に、村人たちにホームスティ、エコツアーなどで生計の向上を図り、不法な伐採に手を貸さなくても、将来の生活が見えてきて、同時に自然を自ら守れるようになることを目指した活動を展開してます。そのほか、漁業や農業、工芸などの村落開発も視野に入れています。こうした実績をサバ州の政治家や高官たちに認めてもらい、保護区申請が閣議決裁されるのを目指します。
 この国際セミナー後のエクスカーションは、こうした私たちの取り組みをセミナー参加者に見てもらいたい、とともに村人たちにもエコツアーは彼らの生計向上に役立つことを理解してもらおうと企画されたものです。このエコツアーは地元の観光ライセンスを持つ業者にコンダクトとしてもらったものの、川べりの船着き場からの行程と活動は村人たちの主導で企画・実施されたものです。因に、このツアーは、コタキナバル市からの飛行機代も含めて一人当たり約4万円を支払っていただきました。交通費やツアー会社の取り分、ボートのガソリン代を除くと、村に落ちるお金はその半分以下です。それでも、村にとっては1戸1月分の収入に近いものです。こうした観光客が1月に20人も来てくれれば、村の経済はずっと豊かなものになります。子供たちを学校に送ることができるようになります。

 もう一つのプロジェクトではクロッカー山脈公園(国立公園)での塩の道ジャングル・トレッキングとホームスティを組み合わせたエコツアーも開発中です。これも、国立公園内で不法居住、不法な焼き畑・狩猟などで暮らしを成り立たせている村人たちの代替生計の方策としてのことです。こちらは、コタキナバル市から近いので、現地でかかる費用は更に少なくなります。


 私たちのHPをご覧になって、エコツアーの案内を求めてこられる方々がおられますが、個々人の旅行への対応はできません。また、セガマ河下流域には野生生物局職員が同行しなければ旅行はできません。

 他方、以下のような私たちの最低限の原則に合意していただける方々は歓迎したく、私たちの活動計画に合えば、ご相談に応じます。

(1)サバ州の自然環境や辺境の村の生活を学習しようと言う企画であること

(2)自然保全や村落開発に何らかの貢献をしようと言う企画であること

(3)村人の生計に役立てるために普通の旅行よりは少々割高になる経費を支払う用意があること

(4)ある程度まとまった団体であること(8人以上20人以下)

(5)厳しい暑さやジャングルの自然環境、劣悪な衛生環境に耐えられること

(6)できれば、サバの若者の環境教育のために、何人かの地元の青年/学生を招待していただけること(経費は一人当たり、みなさんの半額ぐらいですみます)

(7)できれば1回限りではなく、毎年同様の活動を実施して行く計画があること

 なお、調査研究が目的の方々をお引き受けすることはできません。サバ州での調査研究は、分野がなんであれ、マレーシア連邦政府の許可がいります。調査研究許可を取るためには、サバ州内の機関に共同研究者を持つ必要があります。詳しくはHP内の関連記事をご覧下さい。なお、私どもは調査研究の仲介をすることはできませんので、ご了承下さい。

草野 孝久

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1. 金森 朝子さんより

 BBECのツアーに参加させて頂きました。私はオランウータンの研究を希望している学生なのですが、研究のことを忘れて大変有意義で楽しい時間を過ごさせて頂きましたし、村落開発についても考えさせられるところがあり勉強になりました。

観光国の田舎や部族の村落等でよく聞くホームスティ・スタイルでしたが、村人の自立精神を第一に考えた、最も手間と時間とおそらくお金のかかる方法を取っていらして驚きました。即物的に物資や資金を調達することは容易ですが、それでは、将来的に様々な問題も浮上しますし、何より村の統括や自活力が崩れてしまいます。
その辺りのことを見通してこのような対策が取られているのは、長年の経験があるJICAならではの方法としてすばらしいと思いました。

 気がついた点としては、ホームステイ先によって、対応慣れにばらつきがあるのではないかと思います。特に、村長のお宅の居心地の良さは、客人慣れしているのでまた格別だと思います。

 しかし、決して私が滞在させて頂いたお宅の居心地が悪いとかではなく、むしろ、ホームステイ先の方は、たった2泊でも、こちらの状況をよく観察していて、どんどんこちらが滞在しやすいように対応してくださいました。ですから、様々な層の方が滞在すれば、もっと各家庭の受け入れも向上してゆくと思います。

 これでもか、これでもかというくらいの村の方たちの思いやりには本当に感激しました。機会があれば、ぜひ、新しい方向に向かおうとしている彼らに会いにまた訪れたいと思います。また、新しく赴任される村落開発の方に、ぜひその後のお話を伺いたいと思います。

 同行して頂いた専門家の坪内俊憲様や調整員の谷口光太郎様、レンジャーのMr. Herman Stawinには大変お世話になりました。ありがとうございました。

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2. 久世 濃子さんより

先日のBBECのエクスカーションでは大変お世話になりました。
遅くなりましたが、感想をお送りします。

 純栄さん(JOCV)から色々話を聞いていたので(川で水浴び&バケツいっぱいの水で水浴びetc)、かなり覚悟を決めていったせいか、予想していたより楽しく生活できました。それと、金森さんがアフリカや中東などで村々で数日から数週間滞在した経験(観光用のホームスティではなく、個人的に頼んで)があったので、彼女のアドバイスのおかげでだいぶ楽に過ごせました。

 全体として、村の女性とふれあえる時間がもっと欲しかったと思います。エビ取りやボートクルーズなどのアクティビティは、男性だけなので、特にホームスティ先で女性と一緒にいられる機会が欲しいと思いました。

 ご飯も男女別々に食べるのが普通なら、そうしてもらってかまわないと思います。最初にホームスティ先の女の子達とご飯を食べた時の方が、その後、男の子達と一緒に食べたときよりも、彼女達がくつろいでいる様子が感じられたので、特にそう思いました。(男の子達は緊張していたせいか、ほとんどご飯を食べていなかったので)。

水浴びも、いっそ「川で村の女性達にサロンを使った水浴びの仕方を教えてもらう」というのをアクティビティの一つにしてもらう、というのはどうでしょう?私たちも1日目の水浴びの後、「明日は川での水浴びの仕方を教えてもらおう」、と話していた位なので。(2日目に水浴び場を新しく作ってもらったので、川での水浴びの仕方を聞く機会はなかったのですが)

 それから、朝ご飯は、特別に私たちのために作ってもらうのではなく、彼らが普通に食べている朝ご飯が食べたかったです(たとえ、前の晩と同じおかずだったとしても)。

特別に作ってもらったお菓子ももちろんおいしかったのですが、せっかくのホームスティなので同じものが出してももらった方がいいと思いました(ご飯の話ばかりになってしまいましたが…)。

 往復の交通に関しては、やはり少ししんどかったです(特に車)。

日本の大学生(鹿児島大学など)や専門学校生(環境工科専門学校?)がスタディ・ツアーで毎年サバに来ていますが、このようなホームスティができると、とても有意義なのではないかと思いました。

 色々と工夫してくれる村の人たちの心遣い(水浴び場の設置、蚊取り線香、お弁当、などなど)に、本当のホスピタリティを感じました。

 数年後が本当に楽しみな地域だと思います。

 村の人たちの今後の活躍とBBECのプロジェクトの成功を願っています。

 

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