州の総督がやってきた
2003/07/20
草野 孝久
7月17日、州の総督がサバ大学のキャンパスにやってきました。サバ大学は私たちの活動する熱帯生物学・保全研究所を重点的に案内し、2時間ほどを過ごしました。スライドショウでは、日本の協力についても説明されました。


生きたカエルやヘビ、カメ、昆虫の標本、薬草など、総督一行用の展示物を用意するので研究所のスタッフは3日間趣向をこらして飾り付けていました。自分の持ち場に総督や夫人がやってくると熱心に説明する様を見てると嬉しくなりました。


総督ご一行は楽しそうに過ごしお帰りになったので、学長もさぞご満悦だろうと思っていると、夕方研究所長が、「常設展示をもっと魅力あるものにしろ」と注文を出されたとのこと。


この研究所は、一般への自然教育を行う博物館機能をもった施設に開発しようとしているので、この動きが遅いことは私たちも気になってました。ギャラリー内には数本の樹をしつらえ、動物や植物を熱帯林の実際に近い形で見て貰おうという計画なのですが、作業は遅く、忘れた頃に「そう言えば葉っぱが増えたね」と感じるという具合です。施設整備は相手の資金で行っているのですが、日本の技術協力ではタッチパネルやジオラマなどの機材と展示内容を支援していきますので、全体の動きが遅いのは気になるところです。


ところで、マレイシアの半島部の州ではスルタンと呼ばれる州王がいますが、サバとサラワク州にはいなかったので、連邦を組んだ時に、対抗してState Headという地位を作りました。州知事と間違って訳されることもありますが、州行政の長は首席大臣でこの方が日本の知事に当たります。State Headは、我が国の天皇のように象徴的存在です。総督と訳してみましたが、如何でしょう?しっくりこなかいな?


では、貴族のいないサバ州でどうやって総督を選ぶのか?首席大臣が閣議で決めマレイシア国王(アゴンと呼ばれます)に推薦し、アゴンが任命します。現在のサバ州総督は、昨年12月に即位しましたが、それ以前はなんと副官房長官でした。政治的に真っ白な人で敬虔なモスレムが選ばれるそうです。


平民から総督になって、8ヶ月。うやうやしく見せる仕草は何とかマスターしたものの、善良で優しそうな素顔が好感の持てる方でした。

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