ブンドゥ・アピン・アピン村での村落開発ワークショップ
2003/05
坂井 茂雄

公園管理コンポーネントでは、保護区周辺に住む住民の参加による環境保全を一つの柱としています。周辺住民のほとんどは、農業を生活基盤としており、主な活動としては伝統的な焼き畑(陸稲)、生ゴム・カカオなどの小規模プランテーション、他の換金作物の生産などです。今回の報告は、4月22から23日にかけて行われた、公園周辺の「ブンドゥ・アピン・アピン地区」でのワークショップの様子です。

サバの武術(シラット)、「虫の型」


ブンドゥ・アピン・アピン地区は周辺4村からなり、アピン・アピン川の上流に位置します。また、アピン・アピン川の源流は私たちが協力してプロジェクトを実施中のクロッカー・レンジ公園です。


この村は、典型的なドゥスン族(サバの先住民)の村で、村民の大半はカソリック教徒です。村人の主な収入源としては、陸稲と、ショウガ(換金作物)の生産がありますが、最近は安価な中国産のショウガが輸入され、地元農民には深刻な問題です。


村から公園まである程度の距離があるため、住民と公園局の間に土地問題はありませんが、2000年からアピン・アピン川上流地域で森林の伐採が行われ、それに反対する村民が道にバリケードをつくったりして、現在紛争中です。また、現在森林伐採が行われている地区は公園に近く、公園管理上からはバッファー・ゾーンとして重要な地区です。この理由のため、BBECプロジェクトからすると、この地域を保全する必要性があるわけです。

グループ討議の様子


今回のワークショップは、「総合的な開発と保全」と銘打ち、周辺住民主体で今後の計画を作るために、複数の関係機関が合同で実施しました。実施の中心は、地域住民組織である「ママカット」が勤め、これに、現在サバ州で実施されている「農村女性地位向上計画調査(JICAの開発協力で支援中)」の主管である農村開発局と、エコ・ツーリズムやホームステイ・プログラムを計画する州観光省、保全を進める私たちのBBECプログラム・公園管理コンポーネントの主務機関であるサバ公園局が主要な機関として加わりました。また、特産のショウガや農産物を加工する(付加価値をつける)ことを考慮して農業局も参加しました。また、村々からは常時30人以上の代表が参加しました。


今回はジェンダーが一つの柱と言う事もあり、主婦が安心して参加できるように、保育を兼ねた「環境保全絵画コンテスト」や年少向けの「色塗りコンテスト」、2日目は「童話の会」なども同時に行われ、大人のみならず子供も参加?した2日間でした。

絵画コンテストの表彰式(テーマ:環境保全)


また、初日の夜は村主催の文化交流集会が催され、伝統的な楽器(笛など)の演奏や、シラット(サバの武術)の型や、伝統的な踊り(バンブー・ダンス)などが村人により披露され、タパイ(米からつくる地酒)が振舞われ、夜遅くまでにぎわっていました。


一番のハイライトはグループ討議で、「小規模観光開発とホーム・ステイ」、「食品加工と収入増産」、「環境保全」、「ジェンダー」の4つに分かれ、今後の展望を話し合いました。今回が2回目のワーク・ショップでしたが、テーマに広がりがあったため、関係者合同のブレイン・ストーミング的な面もあり、これから村々の委員会で3ヶ月かけて今回の結果を再討議し、具体的な行動案を作成し、行動に移していく予定です。


以上

 

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