国勢調査(2000年)で見るマレイシアとサバ州
坂井 茂雄
マレイシア国は、地理的に西(半島)マレイシアと、東(ボルネオ)マレイシアに大きく分けられます。BBECプログラムが活動しているサバ州は、ボルネオ島(東側)にあり、サバ州とサラワク州のみがボルネオ島(東マレイシア)にあります。マレーシアは、全部で13州ありますので、他の11州は西(マレー半島)側に存在することになります。また東マレイシアには、連邦直轄のラブアン(島)がありますが、これは州ではなく、あくまでマレイシア連邦の直轄地です。

さて、マレイシア国やサバ州の社会・経済の概観を知る手がかりとしては、政府が実施している「国勢調査」があり、マレイシアにおいては、過去に4回の国勢調査が実施されました。調査された年代は、1970年、1980年、1991年、そして2000年(7月)が最新の調査となっています。これら調査結果の一部は、「http://www.statistics.gov.my/」のウエブ・ページで見ることが出来ますが、このページの「国勢調査2000年(Census 2000)」に出ているまとめと表から、サバ州と、首都クアラ・ルンプルのあるセランゴール州、そして全国などを対比して、マレイシアにおけるサバ州の人口統計などの特徴をまとめてみたいと思います。

1. 面積

マレイシア全土の面積は、約33万km2あります。この内、東マレイシアのサラワク州の面積が一番大きく約12.5万km2(対全国比:38%)、サバ州は2番目に大きな州で7.4万km2(22%)となっています。サラワク州、サバ州に続くのは、西マレイシアのパハン州(11%)、ペラ州(6.4%)などとなっています。結局、サバ州の面積は、マレイシア国の約5分の1強の面積を占めており、大きな州だと言う事が出来ます。

2. 人口の分布、密度、増加率

マレイシア全土の人口は2千3百万人で、この内首都のあるセランゴール州の人口が一番多く約4.2百万人(18%)、続いてジョホール州:2.7百万人(11.8%)、サバ州が3番目に人口が多く2.6百万人(10.6%)の人が住んでいます。

人口密度を、人口と面積から計算すると、サバ州は35人/ km2となり、サラワク州の17人/ km2について、2番目に低い州となっています。

人口増加に関しては、前回の国政調査(1991年)から、2000年7月までの期間で見てみると、サバ州は年平均4%となっており、首都のあるセランゴール州の6.1%についで、2番目に高い人口増加を示しています。ちなみにマレイシア全国平均では、2.6%となっています。

3. 民族構成

マレイシア全体としては、94.1%がマレイシア国籍を持つ国民で、残りが外国人(5.9%)と言うことになります。国民のうち、65.1%が「ブミプトラ」と呼ばれる先住民族系で、他には、後から移住してきた中華系(26%)やインド系(7.7%)で構成されています。マレイシアが多民族国家と言われる理由は、この複雑な民族構成にあり、先住民族もマレー系、サラワク州のイバン族、サバ州のカダサン・ドゥスン族を筆頭に、多様な構成となっています。1991年に行われた国勢調査の結果では、先住民族:60.6%、中華系:28.1%、インド系7.9%となっており、これを2000年の結果と比べると、全体として先住民族の比率が大きくなり、中華・インド系の比率が下がっていることがわかります。

サバ州を見てみると、先住民族系が80.5%を占め、中華系13.2%、インド系0.5%、その他5.8%となっており、全国平均に比べ、先住系の比率が大きくなっています。また、サバ州の先住民族の構成は、カダサン・ドゥスン(族):18.4%、バジャウ:17.3%、マレー系:15.3%などとなっています。

4. 年齢・性別人口

2000年における15歳未満の人口は、マレイシア全国では全体の33.3%を占めています。前回の調査(1991年)では、同年齢の比率は36.7%でしたので、比率としては減少しています。サバ州では、15歳未満の人口比率は38.4%となっており、これはマレイシアでは3番目に高い数字です。

男女比を見ると、マレイシア全体では、女性100人に対し男性は104人となっています。(マレイシア全体として、4州のみで女性の比率の方が高いとの結果が出ており、他の9州では男性の数が多くなっています)。サバ州では、女性100人に対し、男性107人となっており、これは、マレイシアで4番目に男性の比率が大きい州でもあります。

5. 結婚や結婚年齢の様子

2000年に行われた国勢調査では、晩婚化が浮き彫りに去れました。20歳から34歳の独身者で、結婚経験のない人口は、1991年は43.2%だったのに対し、2000年では48.1%(約、半数?)になっています。特に20歳から24歳の女性に関しては、1991年の未婚率が60.2%だったのに対し、2000年は68.5%に上昇しています。この傾向は、25歳から34歳の女性グループや、男性のグループでも同じとの結果が出ています。

平均結婚(初婚)年齢に関しては、男女とも上昇しており、男性の平均は28.2歳(1991年)から28.6歳(2000年)に、女性は24.7歳(1991年)から25.1歳(2000)年に変化しています。ちなみにサバ州では、平均結婚年齢は全国平均より低く、男性27.3歳、女性23.5歳ととの結果が出ています。

6. 宗教

宗教の構成は、民族構成に大きく関係しています。一番大きなグループはイスラム教徒ですが、全人口における比率は、58.6%(1991年)から60.4%(2000年)に増加しています。続いて、2000年の調査では、仏教徒(19.2%)、キリスト教徒(9.1%)、ヒンドゥー教徒(6.3%)、儒教・道教などの中華系の宗教(2.6%)となっています。

サバ州では、イスラム教徒(63.7%)、キリスト教徒(27.8%)、仏教徒(6.4%)と言う構成になっています。

以上が、2000年に行われた国勢調査の「州別」統計の概観です。2000年の調査では、148の地方行政区(都市や町、郡)別にも統計をまとめています。

これらのより小さな行政単位の統計で、サバ州に関係して特筆すべきこととして、州都コタ・キナバルの人口があります。マレイシアで人口の一番大きな都市(行政区)は、首都のクアラ・ルンプル(約1.3百万人)ですが、2番目に大きい都市は、サバ州の州都であるコタ・キナバル(約35万人)、続いて、サラワク州の州都であるクチン(15万人)と続くとの統計結果が出ています。

これら、地方行政区別の調査結果は、「地方行政単位ごとの2000年国勢調査(人口動向)」で、より詳しく見ることが出来ます。

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