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ボルネオの自然
サバ便りその5: ボルネオ島クロッカー山脈公園の蘭を紹介

松永 龍児(チーフアドバイザー)

9月にコタキナバル市の南部に位置するクロッカー山脈公園のアラブ山(標高約2000m)を訪問しました。
アラブ山では5月はセロジネやエリアの花が目立ったのですが、9月はデンドロキラムやバルボフィラムの小さな蘭が咲いていました。
今回はこの付近で一番普通に見られるデンドロキラム・ムルエンセ(Dendrochilum muluense)とかわいいバルボを紹介します。
デンドロキラム・ムルエンセは、霧雨林の大木のかなり下のほうから上のほうまでびっしりと着生しています。【写真1】

【写真1】
残念ながら花は小さくぱらぱらとしか咲かないためあまり目立ちません。(メールマガジンのみでご覧の方は是非ホームページで写真も確認してください。)
したがってクロッカー山脈公園アラブ山周辺にびっしりあるのに1984年に同じくボルネオ島の北西部サラワク州のムル国立公園のものが記載され、その名前が付いています。前回紹介したほとんどの種が未記載ということがこれからもわかると思います。その後、ボルネオ島各地で記録されています。

ここでは、歩くと風で落ちてきたものや倒木に付いたムルエンセを多数踏み潰してしまいます。ではどれぐらい着生しているのか、倒木で調べてみました。【写真2】

【写真2】
樹高約20mの倒木に20株(親株)着生しており、下部には多くの苗株が同様に着生していました。この木にはエリアの大株が5株、また、バルボが数株着生していました。枝は折れて周辺に点在していましたが、そこにも数株ずつ着生していました。
このような状態ですので立ち止まって周りを見渡すと、いたるところに蘭に覆われた木があり、また多くの倒木にも多数の蘭が着生している状態です。
デンドロキラムはアジアを中心に100−150種近くの記載があり、ボルネオでも80種以上の記載(キナバルは35種―ムルエンセは記載なし)があります。
ムルエンセは、ボルネオの標高1400-2200mの山頂近くの霧雨林に産します。球茎は紡錘形で長さ1-2cm。葉は披針形で長さ5-15cm,幅0.4-1cm,で枝0.5-4cm
花茎は直立し、長さ6-14cmで8-16の半開した5mm程度の小さい白い花(唇弁は黄色いオレンジ)を2列につけます。
かわいいデンドロキラムですが、標高の高いところに産するので栽培は結構難しいのかもしれません。
ではもう一つ、バルボフィラムを紹介しましょう。
バルボフィラムは1000種以上アジア,アフリカで記載されています。ボルネオ島全体でも200種以上(キナバル国立公園内では87種)記載があります。
その中で最もかわいいひとつが今回咲いていたバルボフィラム・カテナリウム(Bulbophyllum catenarium)です。【写真3】

【写真3】
小さな3-5mmのバルブが鎖状につながり先端部分には3-5mmの米粒のような葉がついています。鎖状のバルブから5cm程度の花茎を伸ばしその先端に鮮やかな黄色のかわいい1cm程度のトライアングルの花をつけます。3枚の花弁の中央に濃いオレンジの揺れる唇弁が非常に目立ちます。
森林の中の光のないところでの小型の蘭の撮影はかなり、難しく素人ではいい写真が取れないのが残念です。
そのほかにセロニステレとバルボの花が撮影できましたので紹介しておきます。
このセロニステレはサバでは未記載かもしれません。

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