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ボルネオの自然
サバ便りその4:サバの蘭業者さんの紹介

 

松永 龍児(チーフアドバイザー)

今回はサバの蘭業者さんを紹介しましょう。

オーキッド・デ・ビラ(富境花荘)で農業祭(蘭展)が行われ招待されたので行って来ました。

コタキナバルから約20km(車で30分程度)のイナナムのカワカーン村にあり、観光客も訪れる場所です。12エーカーの土地にデンファレやバンダといった種を中心に栽培しています。また、サバ各地から野生の蘭も集めており、いつでも何らかの原種の花を見ることができます。社長はサバ蘭協会長もかねており、サバの蘭栽培の中心人物といえます。

しかし技術力もなく素人が始めた蘭園で、日本などの協力を期待しています。特に培養や増殖の方法を学びたがっています。中国系なので台湾などの業者とはコンタクトがあるようですが、原種を栽培するところまでには、いたっていないのが現状です。


実際、サバの蘭は多くが1500m以上の霧雨林地帯に生息し、低地では非常に栽培しにくく、またほとんどの種が未記載で増殖して販売するには問題が沢山あります。

サバ便り(2)でも紹介したセロジネの仲間のような特有の種も多く、サバのみでは分類がきちんと行える体制が整っていません。

多くの方から「新種が沢山見つかる可能性があるでしょうね。」と聞かれますが、熱帯多雨林では、根本的に発想が違って、蘭に限らず、採集したもののほとんど未記載種といえます。植物標本は、花と実があってはじめて標本となりますが、なかなか花の時期に会わないし、いつ咲くのかもはっきりわかっていません。事実、最近の研究でフタバガキ科などは5年に1度の一斉開花という現象があることがわかっています。したがって1800年代から多くの先進国の調査団が一定期間調査にきても有用な樹木以外、完全な標本は、ほとんどないのです。ですから蘭の場合は、キューを初めとする先進国の植物園や趣味家が自分の得意とする属をもって帰って咲かせてから記載しているものもあるわけですが、英国、米国などの一部の機関のみが蘭の分類を行っているため、多くの種の記載にはまだまだ時間がかかるといえます。


また、蘭の場合は、近年の中国やベトナムの例でもわかるように調査して雑誌等で紹介されると欲しがる方も多くなり、種の保存によくないことがおこることが現実的にあり、なかなか調査を進めることができないのが残念なことです。さて、蘭園ですが、観光農園的に見学者に対応することも配慮し、日本人に快適とはいえないまでも、宿泊施設や喫茶室、ミニ動物園も完備しています。
日本人向けのサバ観光局のパンフレットにも紹介されているぐらいですから、蘭好きの方が、コタキナバルで半日時間があるなら見学してもよいところだと思います。

多くのパフィオという種も集めていますが、栽培が上手でないのでまだ花を咲かすまでにいたっていないのが現状です。

連絡先は以下のとおりです。
ORCHID DE VILLA (富境花荘)
Off Jalan Kiansom km6
Kampong Kawakaan/kitubu,Inanam
P.O.box No.21724,88775 Luyang,Kota Kinabalu,Sabah,Malaysia
Tel:60-88-434997,60-88-380661 fax:60-88-435596
E-mail:orchiddevilla@yahoo.com www.orchid-de-villa.com.my

*「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)」により、ランの国際取引(海外からのお土産を含む)は基本的に規制の対象となります。特にサバで生育しているパフィオペディルム属については、原則国際取引(海外からのお土産含む)が禁止されています。

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