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ボルネオの自然
サバ便りその3「マヌカン島の自生蘭」

2005/8/22
松永 龍児(チーフアドバイザー)

サバ州の州都コタキナバル。その前に広がる海に5つの島が点在しています。そこが、トゥンク・アブドゥル・ラーマン海洋公園です。

 公園のかつての中心はガヤ島で、ここには小学校、中学校もあります。しかし、今はマヌカン島が中心で、宿泊施設やレストランができていて、休日は日帰り海水浴客などで大変混雑します。

5月の日曜日に、マヌカン島を訪れる機会がありました。ほとんどの観光客は、海水浴を楽しんだり、浜辺でゆっくり休息したりしています。島には園路もあり、散策ができるので、ぐるりと回ってみました。

この島を覆う森林は2次林であり、以前に住んでいた住民などが薪炭にするために伐採されたのだと思います。他方、1番大きなガヤ島はまだ多くの原生林が残っており、今年度中にもサバ大学が調査する予定になっています。

そのマヌカン島にも、立派に自生の蘭の花が咲いていました。Dendrobium crumenatumです。インドから広く東南アジア全体に広がり、田舎の町の大木には、必ずといっていいぐらい着生している蘭です。地元では、ピジョンオーキッドといって親しまれているきれいな蘭ですが、花期が短くて、栽培する人はほとんどいません。文献では海抜(0m)から標高900mぐらいまで分布し、古いサンゴ礁に着生していたという記述もあります。今回見たのもそれに近く、海に張り出した波に洗われるような老木に着生してきれいな白い花をつけていました。植物の生命力には、本当に驚かされます。

 近くの木には、シンビジューム(Cymbidium atropurpureum)も着生していました。

このように灼熱の海岸沿いの樹木にもしっかりと蘭が着生しているのには驚かされます。どのようにして水分を吸収しながら生きているのでしょうか。

 ここサバでは、海岸沿いや川沿いに残された林にもしっかりと蘭が、根を下ろしているのを見ることができます。まだ、園路も十分に整備されているところも少ないので、安心して散策するという状況ではないのが残念です。

 今後も整備を続け、世界中の人の期待にこたえられるような公園にしていく必要がありそうです。

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