BBEC
ボルネオの自然
サバ便りその2「クロッカー山脈公園の蘭」

2005/7/4
松永 龍児(チーフアドバイザー)

今回はBBECプログラムの活動現場の1つであるクロッカー山脈公園を紹介したいと思います。139,919haの広さを誇る、サバ州で一番大きな公園です。長さ75km幅15kmにわたり、標高は、100m〜2,076mまであり、森林保護区を間に挟み、キナバル山につながる公園です。

この公園の中には人も生活しています。そのためどのように管理していくか日本が協力することになったのです。サブステーションの資材費や展示等などに日本が協力し、現在はサブステーションを含み5つの拠点ができています。

今年から、BBECプログラムの研究・教育コンポーネントと協力し、各ステーションに調査研究区域を設置することになりました。

これまで、2002年にはサバ大学等を中心として科学調査が行われています。ただし、その調査には蘭の専門家は入っていなかったので調査結果では蘭科は3種しか記載されていません。

2005年5月中旬に、調査区域を設置する場所の下見に参加しました。

現在、イノボン(標高600m)のステーション近くの2次林に最初の調査区を作成済みです。

アラブ山(標高1800m)の霧雨林にも調査区域が計画されています。

このアラブ山の調査区域予定地の周辺を歩いて見たところ、約50種類の蘭はありそうでした。特にセロジネ、デンドロキラム、バルボ、エリアは、かなり多くの種類が着生していました。地生蘭もカランセがありました。

ちょうどセロジネがところどころに花をつけていましたので、今回はそのセロジネの仲間を2種紹介したいと思います。

まず、最初はChelonistele sulphurea var.sulphureaです。セロニステレは、あまり日本でも紹介されていないと思いますが、セロジネの仲間で、現在11種知られており、この種以外はボルネオ特産です。上記の種は、マレー半島、スマトラ、フィリピンでも記録されています。まだ未記載種も多い種です。葉だけ見るとバルボのようでかなり硬い葉を1枚から2枚つけます。本種は白い透明の小さな1.5cm程度の花をつけます。球形は細い円錐形で約5cm、1葉をつけます。葉は長楕円形で長さ15〜20cm、幅3〜4cm。花茎は球茎の基部から出て直立し、10cm程度の長さで約10花をつけます。唇弁は透明白地に黄色い斑紋が入ります。写真の花は樹高約2mのところに3花茎を立てて約30花をつけており、朝日を浴びた透明の花はすばらしくきれいでした。

つぎはセロジネを紹介しましょう。

セロジネは、ボルネオだけで60種以上の記録があり、キナバルでは36種記録されています。

今回ご紹介するのはその中の1種、Coelogyne radioferens。ボルネオ島にのみ自生する種で光を浴びると金色に見える黄色い花をつけます。近くで見ると茶色に見えるのですが森林の中では、すごく映える色をしています。球茎は長さ5〜10cmで狭円錐形、2葉をつけます。葉は線状長楕円形、長さ20〜30cm、幅4-5cm。花茎は新芽とともに球茎の基部から出て垂れ下がり、葉と同じ長さで10花程度つけます。花は径3〜5cm、黄褐色で唇弁は濃褐色で中央は白色。特に蕾はきれいで金色に見える濃い黄色です。

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