BBEC
ボルネオの自然
クロッカー山脈の水生昆虫を調査する
No.1 調査方法をスタッフに教える

2004/10
青年海外協力隊「生態調査」隊員 岩田 周子

10月12〜13日に、水生昆虫と水質の調査のための勉強会をサバ公園局のスタッフに対して行ないました。受講者はスタッフ10人、そして、水生昆虫と水環境の関係を研究しているサバ大学の講師2名と、水生昆虫を指標動物として水質を判断する方法を実施している灌漑排水局の職員を講演者として招きました。

10月に入ってから、一日中雨が降ったりやんだり、という日が多くなっていたので、天気は大きな心配でしたが、当日は幸運にも晴天に恵まれ、半分くらい成功したようなものだと感じました。全ての参加者が、勉強会の開始時間に、開催場所であるクロッカー山脈公園ネイチャーセンターにきちんと集まってくれ(これだけで感動でした)、会は予定通りに始まりました。

1日目は講義形式で、それぞれの講師から水質、水生昆虫、それらの相互関係、またその関係を利用した簡便な水質調査についてパワーポイントを使って話をしてもらいました。参加者は、昆虫採集や標本づくりについてはベテランの人もいましたが、今回の講義内容については殆ど初心者であったので、全ての講義は理解しやすい内容にしてもらいました。写真が多く、簡単な表現で説明してもらうことができたと思います。参加者からも多くの質問が挙がり、熱心にメモを取る人も見られました。

2日目はフィールドトレーニングです。参加者・講演者全員で、公園事務所から30分ほど車を走らせたところにあるリアワン川上流の河川敷に行き、実際に水生昆虫の採集を行ないました。川に到着してからは、参加者それぞれが自由な行動をしがちになってしまい、河川の構造や、調査方法等の説明をしっかりと受けてから採集活動に移る、という段取りをとるのに非常に苦労し、採集は好き勝手に、という形になってしまいました。

採集した昆虫は、ネイチャーセンターに持ち帰り、顕微鏡を使って同定を行ないました。水生昆虫の同定は、ある程度は目で見るだけでわかるのですが、もっと詳しく見ようとすると、顕微鏡を使う必要があります。この、とても一般的な道具を操作したことのない人もいて、使いこなすのに四苦八苦です。それでも、顕微鏡を覗きながら、テキストの絵と照らし合わせてなんとか作業は進んでいきました。

短い日程の中で、参加者がどこまで内容を理解してくれたかわかりませんが、河川の調査に対する情報を提供し興味を持ってもらうことは出来たと思います。今回の勉強会では、スタッフは勉強したいという意欲を持っているということを知ることも出来ました。彼らは普段、上司から命令されて動く立場にいるために、自主的に勉強するという行為をあまりしてきませんでした。今後、定期的に勉強会のようなものを開いて、彼らに学習の場を与えていきたいと考えています。私が彼らに与えられる知識ももちろんありますが、彼らのほうが知っていることも多いので、これは私の勉強の場にもなってくれると思います。

調査は今年の12月から開始し、定期的に行なっていく予定です。今回の勉強会が何か役にたっていればいいのですが、これはまだお楽しみです。

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