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ボルネオの自然

ボルネオピグミーエレファント報道について

2004/03/31
坪内 俊憲

 昨年来、ボルネオで新しい種類のゾウが発見されたといろいろな新聞で報道され、世界的な話題になりました。

ボルネオ島に生息するアジアゾウは人によって16世紀、17世紀に持ち込まれたものであるという説と古来から生息していたという説がありました。

そこで、コロンビア大学環境研究・保全センターの研究者がWWFマレーシアとサバ野生生物局の協力を得て、ボルネオ島のアジアゾウの遺伝子をアジア各地のゾウの遺伝子とを比較する研究を行いました。彼は、遺伝子分析の結果からボルネオ島に生息するゾウは更新世(新生代第四紀の前半:200万年前から約1万年前まで)の中期から後期に移動し、遺伝的に隔離されてきた個体群であることを示めしました。そして、ボルネオに生息しているアジアゾウは進化上貴重な隔離群であると報告しました。
(http://www.pubmedcentral.nih.gov/articlerender.fcgi?artid=176546#N0.167)
このことにより、人間によって持ち込まれたという説が否定されました。

研究結果は保全政策を推進するため貴重なもので、州政府としても喜んでおりました。

しかしながら、あるNGOがボルネオピグミーゾウという名前をつけて広報をしたため、一部新聞では新種発見、あるいは新しいゾウの亜種発見と報道されてしまい、研究結果を報告した研究者も野生生物局は困惑しております。今、今回の研究報告と新聞による行き過ぎた報道から、今、野生生物局ではピグミーゾウという名前で呼ばずに、ボルネオ島に住むゾウということで出来るだけボルネオゾウと呼んでおります。

ゾウを好きな方はボルネオゾウを一目見れば他のアジアゾウといろいろ違うことに気がつきます。体は小さく、まるっこく、地面に届きそうなほど長い尻尾、まっすぐのびた牙、そして、非常におとなしい性格。スリランカでは年間30人ほどがアジアゾウによって殺されていますが、サバではほとんど報告がありません。といっても体が大きいので近くに来るととても怖いし、自然環境に与える影響も少なくありません。

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