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ボルネオの自然
保護区に迫りつつあるアブラヤシプランテーション

坪内 俊憲

大規模な伐採は採算の合う木が少なくなったため、大規模なアブラヤシのプランテーション事業に変わりました。キナバル山から東のサンダカン、ラハダトへの道路周辺は延々と続くアブラヤシプランテーションになっています。これらのプランテーション事業のオーナーは半島部のマレーシアの会社や個人資本家の場合が多いのですが、少数のサバ州の資本家が行っている事業もあります。

タビン野生生物保護区周辺の土地も次々とアブラヤシのプランテーションに変わっています。先住民権利として土地占有権を取得した人たちは、その土地になんら手を加えることなく、高くその土地権利を購入してくれる人たちの現れるのを待っているような状態です。

このように放置された土地では自然植生が回復し、2次林が良く育っています。アブラヤシのプランテーションの海に囲まれた保護区から見ると、自然植生が回復した土地が本島の周りの小さな島のように点在しているのです。

権利を取得してから3年間その土地に対してなんら開発利用しない場合、法律上政府がその土地の権利を取り上げることができることとなっています。が、実際上その法律はほとんど行使されていません。

アブラ椰子・プランテーションの海に浮かぶ島々、保護区周辺の小さい自然植生が回復しているのに、買い手がつくたびにプランテーションの海に飲み込まれていきます。

悪いことに、プランテーションで安い賃金で働く人の多くはインドネシアからの非合法滞在者です。彼らはその生活のために、保護区や近隣地域で野生動物や植物を取り生活を補っています。こうしたサイクルの中で、徐々に保護区だけがアブラヤシプランテーションの海に浮かぶように丸裸となって、荒波にさらされ始めているのです。

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