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ボルネオの自然
キナバル山

2003/5/8
米田 政明

サバ州の北西部にそびえる、東南アジアの最高峰。標高4,093m(本によっては4,101m となっている本もありますが、1997年GPSを使った精密測量の結果少し低くなりました)。するどいピークがいくつも立っている頂上部を、天気の良いときはコタキナバル市からもよく見ることができます。頂上部は花崗岩の露岩です。いくつものピークがあるうち、最高峰はLow’s Peakです(「低い」ピークでなく、1851年に初登頂に成功したHugh Lowに由来します)。ただし、精密測量の結果、Low’s Peakよりも隣接するVictoria Peakの方が少し高いと現在では考えられています。


キナバル山の成立

キナバル山は、地殻表層のプレート移動による海底堆積岩の圧縮・陸地化と、地下のマグマ−花崗岩の上昇によってできたといわれています。南シナ海プレートが東方向へ移動することにより、圧縮された海底堆積岩が上昇し、サバの西海岸にあるキナバル山からクロッカー山脈にかけての山地が約1500万年前に形成されました。その後、1000万年ほど前にキナバル山の地下から花崗岩の上昇がおき、山体を押し上げるとともに山頂部では花崗岩が露出し現在のキナバル山が形成されました。現在のような山頂部の景観は、氷期の氷河による侵食の影響です。日本では、屋久島がキナバル山と同様、花崗岩の上昇で形成された山地です。


キナバル山公園

キナバル山は、1964年サバ州で最初に州立公園に指定されました。元々は、第二次大戦のメモリアルパークとして指定された経緯があります。現在の公園面積は約75,000ha、これは日本の西表島の2.5倍の大きさです。2001年には世界遺産にも登録されました。キナバル山の特徴はなんといっても、ふもとから4,000mをこえる山頂までの間に多様な自然環境が見られることです。ポーリン温泉地区は標高500m足らずで低地熱帯林帯です。公園事務所のあるクンダサン地区は標高1,800m、山地林の下部にあたります。山地帯には食虫植物(ウツボカズラ類)が多く分布します。食虫植物は、動物からの栄養を利用することで、他の植物があまり入り込まない栄養分の少ないところでも生育できます。標高2,800mをこえると高山帯になり、標高約3,400mが森林限界となっています。キナバル公園には、年間約20万人の観光客が訪れます。このうち約3万人が山頂への登山を行います。登山客は、宿泊人数から上限が決められ、これが公園の過剰利用防止にも役立っています。


キナバル山登山の注意

コタキナバル市から車で約2時間で、西海岸と東のサンダカン側をわける分水嶺近くにある公園事務所に到着します。事務所で、入園・登山手続きをします。東側のマシュラウリゾートから入る方法もあります。ポーリン温泉は登山ルートからは外れています。主な注意点です。(1)国立公園であり、登山者も入園料を払う必要があります。(2)登山には必ずガイドを雇う必要があります。(3)テント泊は認められていません。宿泊はラブアンレストハウスなど所定施設を予約する必要があります。(4)動植物採集はもちろん禁止です。(5)標高4000mをこえる山です。防風・防寒・雨具の用意とともに、体調を十分整えて、登山を楽しんでください。


コタキナバル近郊から見たキナバル山


キナバル山公園地図

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